冥婚の花嫁 /五梅えるこ 【漫画感想】

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※R18

 

<登場人物>

(攻)亡者…冥府へ行けず、行き場を失った無縁仏。

(受)イオ…ケイの兄。行商人の息子。

 

<あらすじ>

 事故で両親を失った兄のイオと、妹のケイ。山奥の小さな村に引き取られ、兄妹二人だけで生きてきました。ケイの嫁入りも間近となった頃、突然村長に呼び出されたふたり。そこで村に伝わる「冥婚」の儀式について聞かされ、ケイを亡者に捧げると告げられます。

 

<感想>

 通常の単行本2冊……いや3冊分はありそうな分厚さに、とても豪華なカバー。これ実際に触って外すまで気が付かなかったんですが、帯だと思っていた部分がカバーの一部だったという。帯に見えていた部分はカバーが折り返してあって、広げると特典が手に入るギフトコードがありました。

 続編『冥婚の花嫁は愛される』がすでに単行本になっていて、こちらはその主役夫婦の馴れ初め編が一冊にまとまったものとのこと。ものすごく長いはずなんですが、どこから読んでもとにかく濃くて、最後まで一気に読んでしまいました。さすがのR18、すごくおもしろかったです。

 成人指定なだけあって村の因習に巻き込まれたイオを怒涛のエロが襲うわけですが、そうなるのに筋が通っているといいますか、ちゃんとストーリーがあるところに引き込まれます。村人モブたちに傷つけられたイオと、これまでの花嫁との関係からイオをどうしても快楽漬けにしたい亡者様とのちょっとした気持ちの行き違いから、それはもう激しいプレイの数々が生み出されておいででした(二輪挿し+〇道責めはおそらく初めてお目にかかりました)。

 本編の後にも補完漫画やおまけがたっぷり収録されていて、なんとなく引っかかっていた部分や、その後の兄妹について、それぞれの心情などが解き明かされていて読み応えがありました。妹が村人に捕まってしまったときは、どうして……と感じていたのですが、やはりそういうことだったのですね。嫌な村人は亡者様が手を下してくれたみたいでスッキリしました。

 最後の『特別描き下ろし漫画』では旦那様の心境が語られています。基本迷いなく行動しているように見えた旦那様ですが、当然逡巡や罪悪感を持ちながらイオと過ごしていたのがうかがえます。全てを諦めた先でようやく幸せを手に入れた旦那様、なんだかすごく応援したくなりました。

 

<オススメ>

・孤独な亡者×身代わりの兄。

 

<関連作品>

・シリーズ
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