<登場人物>
(攻)溝口陽太(みぞぐち ようた)…大学生。幸平の幼馴染。美人でモテる。(受)森良幸平(もりよし こうへい)…大学生。大人しくて真面目。
<あらすじ>
幼馴染ながら中学からは距離ができてしまった幸平と陽太。ずっと陽太のことが好きだった幸平は、高校の卒業式で告白、陽太の6番目のセフレとして付き合いを始めます。<感想>
かわいそうでかわいい人達の、これぞ「両片思い」なお話でした。ここまで長い間すれ違い続けたのに、相手への想いは一切ブレない強さと優しさが心に染みます。最初は幸平の視点だったため、どこまでも健気な幸平を6番目のセフレ扱いだなんて陽太は一体どんな奴なんだと少々腹立たしさも覚えていました。それなのに幸平と会っているときの陽太はセフレだなんて信じられないほどに優しいし、おそらく幸平の友人を牽制したりもしているのです。しかも陽太は一貫して幸平を「コウちゃん」と呼んでいる……幼馴染にしか許されない距離の近さをずっとアピールされている感じでした。
謎を抱えつつ読み進めていくと、途中から陽太視点に。そこからは種明かしというか、これまでの陽太の謎行動の理由が次々と明らかになっていきました。しかしそれがどれも切ないものばかりで……。一見ひどい仕打ちのように見えても、それは全部、本当に全部が幸平を想ってのもの。子供が同じ歳の子を守るために一生懸命やってきたんだろうな、と考えると泣けてきます。
ただひたすらに相手の幸せだけを求めてきた陽太と幸平が、ようやくつかみ取ったふたりきりの幸せ。とてもハッピーなはずなのに、「家庭」を夢見てきた彼らにはちょっとだけ切なさもあって、上質なBL萌が摂取できました。これからも身を寄せ合って生きていくのであろうふたりの幸せが、少しでも長く続きますよう願わずにはいられません。
<オススメ>
・両片思い幼馴染。<関連作品>
・電子書籍(お試し読みができます。)
DMMブックス

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