さよならアルファ /市梨きみ 【漫画感想】

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<登場人物>

 (攻)長谷川はるか(はせがわ はるか)…α。小学生。

 (受)神宮寺千夏(じんぐうじ ちか)…Ω。生徒会長。17歳。


<あらすじ>

 誰もが羨むその有能さから、自分はαに違いないと思い込んで生きてきた千夏。ところが、偶然助けた小学生・はるかと目が合った途端に、Ω性が発情してしまいます。
 自分がΩであったことの混乱と、運命の番であるはるかに対して発情を抑えきれない千夏は苦悩し、抑制剤の量が増えていってしまいます。


<感想>

 登場時のはるかは360度子供の小学生で、まだ自分がアルファであることや番についても知りません。そんな時に出会ってしまった高校生の千夏。千夏は完全無欠の有能な生徒会長で、自分も回りもαだと信じていました。ところが、はるかと出会った瞬間に発情してしまい、Ωである現実を突きつけられます。

 千夏が自身をαだと思っていたことや、運命の相手が小学生だったことについては、作品全体の雰囲気が明るくコメディ調なのでそれほどシリアスな感じにはならずに読めました。

 それでも、千夏ははるかが小学生であることをしっかり受け止め、ギリギリのところで踏みとどまります。はるかのお母さんにもきちんと筋を通す姿は、千夏自身もまだ高校生なのにちゃんとした大人に見えました。

 ですが千夏ははるかと清いお付き合いを続けるために抑制剤の量がどんどん増えてしまい、ついにははるかの目の前で倒れてしまうことに。

 そこで小学生ながらにはるかの出した決断が切なかったです。オメガバース……残酷な世界だ……。

 最終的にハッピーエンドにはなり、千夏は成長したはるかと幸せになります。はるかが大人になるまできちんと待てたふたりは偉いです。描き下ろしで千夏と離れている間のはるかのお話がありましたが、はるかがちょっと大きくなっていることに切なさを感じました。

 ショタを前面に出した作品はあまり手を出してこなかったんですが、こちらは読んで良かったと思えました。大人になって盛大にイチャイチャする彼らを見ていると、心の底から祝福したくなります。

 αだと思っていた千夏がΩだと判明したことで絡んでくる生徒がいたりしましたが、彼の周囲には優しい人が沢山いて、さりげなく助けたり支えたりしてくれているのもとても良かったです。


<オススメ要素>

・運命の小学生αと高校生Ωが恋を実らせるお話。


<関連作品>

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