秘密の猫耳レストラン 浅見茉莉(著)/松尾マアタ(イラスト) 【小説感想】
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<登場人物>
(攻)仙道隆宏(せんどう たかひろ)…実業家。
(受)秋庭透也(あきば とうや)…山奥でレストランを営んでいる。28歳。
<あらすじ>
純粋な人間ではなく、ヒト型と動物型がとれる猫種の透也。びっくりしたりアルコールを摂取したりすると猫耳や尻尾が出てしまいます。
猫種であることを隠し、ひっそりと生きていくために山奥でレストランを営んでいる透也。体質からアルコールは絶対に出しませんが、ある日客として訪れた仙道にアルコールがあれば満点、と注文をつけられてしまいます。
<感想>
かわいい表紙が印象深いです。ふわふわしてそうな透也の猫耳猫尻尾、触りたくなります。
物語は、猫種であることを隠してひっそりと生きていくため、山奥でひとりレストランを営んでいる透也と、透也の料理に胃袋をつかまれた実業家・仙道のお話。
透也はアルコールが入ると猫耳や尻尾が出てしまい、においだけでも苦手なためにレストランの飲み物はすべてノンアルコール、料理にも極力お酒を使いません。料理の味が素晴らしいだけにアルコールを出さないのは惜しすぎると、仙道は毎回のように透也に注文をつけてきます。
アルコールさえあれば満点なのにとしつこい仙道に、そっちが自分で酒を用意するならと、透也は仙道宅まで出張することに。透也を呼ぶためだけに自宅キッチンの大改造までした仙道。おまけに実は飲食店を複数経営するオーナーだった仙道は料理への理解が深く、ふたりの距離は一気に縮まり一線を越えるところまで進みます。
しかしお話が後半にさしかかった頃、すっかり懐柔された透也は仙道の自宅でピザを焼いているときのアクシデントで、猫耳と尻尾が出てしまいます。慌てて逃げる姿はかわいいのですが、透也にとってはかなり深刻だった様子。完全に仙道を遠ざけようとする展開は切ないです。
自分から距離を置いたかと思えば、嫉妬から衝動的に仙道に擦り寄ってみたりする透也が性格まで猫のようでニヤニヤしてしまいます。昔透也に似ている猫を飼っていたという仙道は、猫種だとわかった後も透也のことも気に入ってくれて、ふたりはハッピーエンド。肌色シーンで、浮き上がる透也の猫尻尾に頬を撫でられる仙道がちょっと羨ましいです。
透也の作る料理がとにかくおいしそうで、読んでいる間はずっと空腹との戦いでした。ジビエやライチョウなど、癖がありそうだなと思いつつ、どれもすごくおいしそうに表現されています。おなか空いた……。
それから、透也がヒトから猫に変化する描写が具体的なのが珍しく感じました。透也自身の感覚についてもですし、それを見た仙道の感想も新鮮でおもしろかったです。
<オススメ要素>
・グレイの猫耳猫尻尾。
・おいしそうな料理の数々、おなかかが空きます。
<関連作品>
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