性の劇薬 R18完全版上　/水田ゆき　【漫画感想】

水田ゆき

2024.05.082024.10.02

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＜登場人物＞

（攻）余田龍二（よでん　りゅうじ）…誠を監禁。仕事に行くと数日帰ってこない。

（受）桂木誠（かつらぎ　まこと）…部下の責任を取り会社を退職。３３歳。

＜あらすじ＞

　不運が続き全てを失った誠は、人生に絶望し酔った頭で自殺を決意。飛び降りようとしたところを見知らぬ男に引き止められます。命を救われた誠でしたが、男は誠を監禁。拘束された誠は、「生きてることを実感させてやる」と言う男に凌辱の限りを尽くされます。

＜感想＞

　私の求めていた性愛がここにありました。なぜもっとはやく読まなかったのか……後悔は尽きませんが、最初の出会いが完全版だったのは幸運でした。ハードな人生を送ってきた人たちが性を通して救済されていく、すごく良いお話だったと思います。おもしろかったです。

　こちらの完全版は全年齢版の内容に加え、修正がR18基準、描き下ろし漫画８P、カバー下描き下ろし２P、上下巻購入での全サ（2024年1月19日締切）が収録されていました。全年齢版に収録されていたものはその旨の注意書きがあり、区別しやすい親切仕様。全サに間に合わなかったことは悔やまれますが、もしどちらを読もうか迷っている大人の方には完全版をオススメいたします。

　ふたりの絡みを軸に関係の変化が描かれていくお話が私は大好きで、もうずっと萌ツボど真ん中刺激されてばかりでした。最初の余田なんて、誠に直接触れてすらなかったんですね。でもその正体が明らかになれば、手袋越しでも優しい手つきだったのがわかってくる……表情やセリフ、手の動きにまで「らしさ」が現れている気がして、何度も読み返しています。最初は誠にとってかなり酷だしファンタジーなプレイですが、いいバランスで現実感が散りばめられているところにもグッと惹きつけられていました。

　随所に「そうそう、こういうのが読みたかった！」が詰まっていて、萌どころ満載すぎて今の私には取っ散らかった感想しか書けません。それでも書かずにはいられない、自分の中の何かの衝動を突き動かされる重厚なストーリーでした。