世田谷シンクロニシティ /本郷地下 【漫画感想】
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<登場人物>
(攻)樋村高史(ひむら たかふみ)…大学生。恋心は女の子、性欲は男に向かう体質。
(受)深町巳晴(ふかまち みはる)…大学生。「友達」にずっと片思いをしている。
<あらすじ>
同棲していた彼女の転勤が決まり、苦学生の高史は住むところがなくなってしまいます。
友人の計らいで大学寮の部屋を貸してもらえることになりましたが、そこは「あっち系」と噂される深町との相部屋で……。
<感想>
表紙買いでした。泣き顔に弱いんです。
シンクロニシティとは、偶然の一致のようなものでしょうか。
高史と深町の間には、シンクロニシティが多発しています。確かにこれが男女の間のできごとだったら、簡単に運命といえたのでしょう。
互いに自分の性的指向が少数派であると思っているふたりは、それには振り回されずに、ゆっくり距離を縮めていっています。
高史は自分のセクシャリティについて、自分でもまだはっきりわからないといい、苦悩しています。
そんな彼が自分なりの結論を出し、彼女と離れるシーンは切なかったです。高史なりに一生懸命彼女のことを考えていたことは、別れ際に彼が残したものが物語っている気がします。BLが読みたくて読んでいるはずなのに、ここで涙ぐんでしまいました。
これまでの高史には、恋人=自分を理解してくれる人、とはならなかったんだと思います。深町と出会えて本当によかった。
なんとなく、高史より深町の方が精神的に大人に見えるんですが、そんな深町のために友達に怒り、救った高史はかっこよかったです。
心無い言葉に怒り、傷ついても、それでも堂々としているべきだし、変わったとしてもいいという深町に、きっと高史も救われたんだと思います。
どちらのものかはっきりしてはいませんが、帯の『きみに出会って、俺はやっと泣けたんだ。』のセリフが胸に沁みます。
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