騎士団長のお抱え料理人 稲月しん(著)/夏乃あゆみ(イラスト) 【小説感想】

記事内に広告が含まれています。

<登場人物>

(攻)シャルゼス・グライアー…ゼス。第3騎士団団長。侯爵家の次男。戦争の英雄。

(受)アイル…第3騎士団寮の料理人。金髪に緑色の瞳。平民。22歳。

 

<あらすじ>

 故郷を離れ、王都の第3騎士団厨房で料理人をしているアイル。いつか自分の店を持つことを夢見て修行に励んでいると、戦争の英雄であるシャルゼス・グライアーが団長に就任すると聞かされます。かつてシャルゼスに故郷を救ってもらったアイルは、いつか団長に自分の料理を食べてもらいたいと練習を始めます。

 

<感想>

 おもしろかったです!! そして切実に続編出てほしい……。お話はこちらの一冊でキリよく終わっていますが、魅力的なキャラクターが本当にたくさんいらっしゃって、それぞれこの後の活躍をすごく見たくなりました。

 修行中の料理人・アイルに特殊能力が発覚、このままチート料理人として上り詰めるのかと思いきや、この能力のせいでアイルの作りたい料理に近づけない、となるのには唸りました。異動先の厨房でうまくいかないアイルの姿には胸が痛みましたが、羨まれる力に目覚めても自分の夢の障害となる場合もある展開はすごくおもしろくて引き込まれます。

 しかもよかれと思って行動してくれたゼスとも距離ができてしまうとは。まあそれも全部取り戻して余りあるほどの告白はさすが英雄の迫力。登場時がちょっと残念な雰囲気だっただけに、本来のかっこよさが現れたときのギャップがたまりませんでした。

 それから貴重な力を持つ故に危険な目にあったアイルが、騎士のゼスに頼りきりにならず自力で脱出したのには拍手です。「英雄」の肩書を持つゼスの助けを待ってもいいところを、まずは自ら考えて身を隠す選択ができるアイルは強くて魅力的。潜伏先が意外過ぎて笑ってしまったのですが、そこでの生活もアイルの本質がわかる素敵なシーン満載でした。

 ウェイン様もつかみどころのないお方なのに憎めなくて、その一挙手一投足から目が離せません。アイルのゼスへの気持ちは揺らがないとは思いますが、ゼスはこれから気が気でないのでは。アイルを想ってやきもきするゼスももっと見てみたいです。

 

<オススメ>

・負傷した英雄×修行中の料理人。

 

<関連作品>

・電子書籍(お試し読みができます。)

ブックライブ/
Renta!/
コミックシーモア/
ebookjapan/
BOOK☆WALKER

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説読書感想へ

コメント

タイトルとURLをコピーしました