<登場人物>
(攻)荒波縁(あらなみ よすが)…β。孤太郎の恋人。24歳。(受)郁巳孤太郎(いくみ こたろう)…Ω。オカルトライター。32歳。
綾火汀(あやか みぎわ)…α。孤太郎の担当編集。
<あらすじ>
失踪系の話を小説として纏める依頼を受けたオカルトライターの郁巳。同棲中の恋人・縁に相談しつつ仕事を進めていた郁巳は、担当編集の綾火が持ってくる「怖い話」にはいくつかの共通点があると気づきます。<感想>
しっかりホラーでした。怖かったです……! 私自身が大の怖がりなのであまり参考にならないかもですが、読み終わった直後は何度も後ろを振り返ってしまうし、カーテンの隙間を発見しようものならびっちり閉め直しています。そして改めてタイトルの意味に想いを馳せては悲鳴を上げそうになっています。お話は基本ホラーでありつつ、半分はミステリーな雰囲気があり恐る恐る読み始めた私もあっという間に引き込まれていきました。事件の謎を追う緊迫感と、ページをめくれば突然首が吹っ飛んでいく恐怖に翻弄され続け、こんなにいろんな種類の汗をかきながら読んだBLは初めてかもしれません。
事件の全容についてははっきりしない部分も残されていて、読んだ方の考察が気になっています。(以下重要なネタバレを含みます。)私個人の考えだと、荒波家の力で隠蔽しながらαとその周辺への私怨を晴らす縁と、「弟」の呪いそのもの(?)の綾火さんがそれぞれ起こした事件が絡み合って双方向から郁巳先生を追いつめていったのかと。そうだとしたら壮大な三角関係BLですね。萌える。
本物の柮薙は綾火さんで、その綾火さんの手引きで郁巳先生がβの縁を「とつなぎ様」に仕立て上げていく複雑さ。でも誰も意図してこうなったわけではないところに因縁を感じます。最後に綾火さんが目をつけたのは郁巳先生の甥っ子かと思われますが、郁巳先生の血筋もなにか関係があったりするのでしょうか。
<オススメ>
・ホラーミステリBL。<関連作品>
・電子書籍(お試し読みができます。)
DMMブックス

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