新世界恋愛革命 鳥谷しず(著)/周防佑未(イラスト) 【小説感想】

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<登場人物>

 (攻)エルフォード治隆(エルフォード はるたか)…警視庁捜査一課三係巡査。イギリスで生まれ育ち、11歳で来日。恵まれた血筋、容姿、学歴。29歳。

 (受)真壁尚紀(まかべ なおき)…警視庁捜査一課三係主任。銀縁眼鏡。32歳。


<あらすじ>

 念願だった警視庁捜査一課にようやく配属された真壁は、そこで自分のコンプレックスを刺激してくる部下のエルフォードにきつくあたってしまいます。しかし最近ゲイだと自覚したというエルフォードから相談を受け、真壁はエルフォードの理想の恋人探しに付き合うことになります。


<感想>

 刑事ものでこのタイトルは一体何が……と思って手に取ってみたところ、確かに新世界革命が起こっていました。それはもう変態的な方面で。

 警視庁捜査一課の真壁は、一見すると敵なしのエリート様に見えます。ですが今の職も本当は希望していたものではなく、捜査一課に配属になったのも本人にとってはようやくたどりついたところのようです。しかも恋人いない歴=年齢のまま32歳になってしまい、内心は卑屈になってしまいました。

 そんな真壁のコンプレックスを刺激してやまないのが、イギリス貴族生まれのエルフォード。あらゆる分野において優れ、恵まれた状況にいるのにあえて出世を望まない部下に、真壁の劣等感は膨れ上がるばかりです。

 そんなエルフォードが最近になってゲイに目覚めたといいます。しかも理想がパンストの似合う女装男というからさあ大変です。自覚のない変態とは厄介なもので、真面目に、紳士的に、礼節を重んじながら語られるエルフォードのストッキング愛に、真壁と一緒にすっかり洗脳されてしまいました。

 後半の書き下ろしはまさかの「新世界結婚行進曲」。真壁のウェディングドレス姿が拝めます。もともとは理想のタイプが「お姫様抱っこをしてくれる年上の優しいマッチョマン」だった真壁。そんな実は乙女思考の真壁なので、ドレス姿もなんだか微笑ましい気持ちで眺めてしまいました。

 そして、どうしてもドレスの主任と愛し合いたかったというエルフォード。愚かな愛の奴隷からはここでも数々の名言が飛び出していました。

 もう何年も前の発刊になってしまいましたが、パンスト愛に溢れた年下変態紳士のおかげで、当時女装方面に明るくなかった私の中に革命を起こしていただきました。新世界への扉が開いたありがたい作品です


<オススメ要素>

・新世界パンストBL。


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