催淫姫 西野花(著)/古澤エノ(イラスト) 【小説感想】

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<登場人物>

 (攻)端田慧斗(はなだ けいと)…「催眠」の力を持つ。姫之の幼馴染で、12歳年上。

 (受)平姫之(たいら ひめゆき)…大学3年生。幼い頃の記憶が一部欠けている。


<あらすじ>

 綺麗な容姿でモテるのに、大学生になっても恋愛に興味を持てない姫之。退屈な合コン帰りにホテルに連れ込まれそうになったところを、長い間会っていなかった幼馴染の慧斗に助けられます。再会するまで慧斗のことをすっかり忘れていた姫之でしたが、それ以来慧斗と睦み合う夢を繰り返し見るようになっていました。


<感想>

 雑誌に掲載された「催淫姫」(中編)と、続きになる書き下ろしの中編と短編が収録されています。幼少期のトラウマを持つ受の姫之を、人を暗示にかける力を持つ年上攻・慧斗が甘やかしてかわいがるお話でした。

 王道な感じかな?と思って読み進めていたら、攻の様子がなんだかちょっといつもと違うような。本当に些細な違和感だったのですが、その正体がわかったときにはすごくすっきりしました。

 これはネタバレになってしまうのですが、もし慧斗が幼い姫之に手を出していたのならば、今の大人になった姫之とうまくいくのか少し不安を感じていたのです。しかし真実を明かされたとき、きつめの変態だと思っていた慧斗が、私が思っていたのとは別方面の変態だったことがわかりほっと胸をなでおろしました。慧斗が姫之自身に惚れていたのがわかってよかったです。

 姫之のトラウマに関してはその元凶が再び現れかなりの胸糞展開となるものの、そこは凶暴性を発揮した慧斗が完膚なきまでにこらしめてくれたので気が晴れました。絡みのシーンでも、慧斗が姫之の快楽のために尽くしつつも、押し隠した獣のような欲望がチラつくのがたまらないです。乱暴なわけではないのにそういうのがわかるってすごい。

 暗い過去があっても、姫之がずっと強い人だったのもよかったです。それが慧斗の催眠のおかげだとしたら、彼が姫之を見守ってきた時間も無駄ではなかったと思えます。古澤エノ先生のイラストも、閉ざされた田舎の空気感がとても感じられて素敵でした。


<オススメ要素>

・催眠能力のある年上×トラウマ持ち年下。


<関連作品>

・電子書籍(お試し読みができます。)

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