NIGHTS BEFORE NIGHT 初回限定特装版 /ナツメカズキ 【漫画感想】

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 初回限定特装版は小冊子、ドラマCD、イラスト漫画カードがセットになっています。小冊子はcabに掲載されていた『MODS』の後日談で、このお話から本編へと続く流れになっています。漫画カードは時雨さんver.、カバー下はメイン3人の人物紹介(表)とキャラクタープロット(裏)でした。



<登場人物>

 (攻)一条雪鷹(いちじょう ゆきたか)…一条組長の本妻の息子。26歳。

 (受)春(はる)…元ヤクザ。現在はデリヘルのオーナー。不眠症。33歳。


 (攻)一条時雨(いちじょう しぐれ)…雪鷹の腹違いの兄。享年33。


<あらすじ>

 デリヘルオーナーの春は、暴力沙汰を起こしてしばらく謹慎を命じられた一条組組長の息子・雪鷹を預かることになります。今は亡き春の想い人・時雨の腹違いの弟である雪鷹は、性格は真逆ながら顔が時雨によく似ており、春を翻弄します。


<感想>

 『MODS』で時雨さんとのただならぬ過去をにおわせていた春さんのお話です。特装版小冊子の『MODS after story』をcabで読んだ当時は、最後に現れた雪鷹の手元の描写がなかったためにもしや時雨さん生きてたんじゃ!?みたいなことを考えてしまったんですが世の中そんなに甘くなかった……。

 春さんが預かることになった雪鷹は、ぱっと見は時雨さんそっくりですが、中身は真逆で奔放な性格をしています。とはいえ、本気で指を落とそうとしたりするところにああ兄弟なんだな、と思ったり。

 ちょっとした仕草でも時雨さんを思い出させる雪鷹がそばにいることで、春さんの不眠症は悪化。そういえば今の春さんって時雨さんが亡くなったときと同じ年になったんですね。そんな時の雪鷹の出現が運命めいたものに見えました。

 シロもチラっと登場していました。出番はほんの少しなのに、意外と重要な立ち回りをしていたシロ。なにげに春さんのことを思いやっていて、陰で助けられるばかりではなく今度は春さんのために動くようになっていたシロの成長を感じました。それから、シロが雪鷹を時雨さんに全然似てない、と言ったのには感動を覚えました。

 あとは回想の鍋のシーン、『MODS』のコミコミスタジオさんの特典を彷彿とさせる場面があり、もしかしたら他にもリンクしているものがあるのかな、と思ったり。しかしまさかこのほのぼのシーンの後が時雨さんの最期になろうとは……。この別れ方では春さんも眠れなくなります。

 雪鷹が自ら選んだ道故、春さんはこれからも気苦労の多い人生になりそうな予感がしますが、そこは雪鷹がしぶとく生きてくれると信じています。春さんが眠れるようになって本当によかったです。



『MODS after story』

<登場人物>

 (攻)信虎(のぶとら)…元デリヘルの黒服。

 (受)シロ…元男娼。


<あらすじ>

 信虎とシロが一緒に暮らしはじめて1年。シロはずっと職が決まりませんでしたが、ようやくバーで働けることに。しかしようやく慣れてきた頃になって前職がバレ、クビになってしまいます。

<感想>

 初回限定版に付いてきた小冊子、初出は2016年のcab vol.46。時系列は『MODS』の一年後、本編の直前です。

 ちょっと少年ぽくなったシロ、こちらの方が年相応なのかもしれません。平和な朝を迎えていることから今は幸せなのがうかがえます。

 しかし元男娼という前職のために、仕事はうまくいきません。せっかく決まったバーの仕事がクビになってしまい、それを虎に言い出せずに春さんのところに行ってしまうシロがちょっとかわいかったり。十字架を背負った春さんが優しいです(ちょっとだけ入るシロの回想はものすごく切ないんですが)。

 虎がそれはもうナチュラルに「空さん」と呼んでいることに萌転がりました。愛の溢れんばかりの肌色シーンもとてもよかったです。



『ドラマCD MODS after story』

<キャスト>

 (攻)信虎…八代拓

 (受)シロ…斉藤壮馬


 春…野島裕史


<感想>

 特装版小冊子の音声化で約17分、キャストトーク(メインのお三方)約10分も収録されていました。CDだけでも状況がわかるようちょこちょこセリフが足されていて、とてもわかりやすい印象です。肌色シーンも長めの大サービス。ただし最後の2Pは今回音声化されていませんでした。雪鷹は次のCDまで楽しみに待つことにします。

 原作通り時計の針の音で始まり、リアルな時の流れを感じます。ふたりが平和に日常を過ごしている空気感が伝わってきて、穏やかな気持ちで聞けました。

 ひとつおおっとなったのが、最後の方でのシロの回想シーン。春さんが静かに泣く声が聞こえます……。切ない。

 キャストトークは斉藤さんの進行で、作品についてと皆様自身のギャップ、落ち込んだときにどうするかなど、とても楽しかったです

 そういえば個人的に大事なことを思い出したんですが、『MODS』のCDを買ったのにまだ聞いてなかった……。何やってるんだろう私。後日談から聞いてしまうことになろうとは。



<オススメ>

・『MODS』スピンオフ、春さん救済。


<関連作品>

・通常版


・前作


・アキさんがチラっと登場





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