　キスで相手の悪霊を吸い出し除霊して、様々な人を救ってきた久音君。基本は陽キャな大学生で、悪霊から気をそらすために騒がしい所を好んでいる根がとてもいい子です。対して攻の宇牟ヶ淵（すごい苗字！）君はイケメンで色々優秀、完璧なのに異質な憑きモノを背負っているワケアリ大学生。このふたり、１話で付き合うまでいくものの、その後が大変になるパターンでした。

　久音君の除霊方法が巧みに活かされていて、穏便に除霊するには恋人になるのが手っ取り早いけど、そう考えるのは本人だけではなくて……となるのがなんかすごい話だったなあと感じます。あと久音君は霊以外も吸うのが好きになっていくのも、いい具合に宇牟ヶ淵君を煽っていてよかったです。

　それから久音君の師匠が異様なほどにかっこよかった。この人もきっとモテてきたに違いない。いっそ宇牟ヶ淵君もこのお方にお世話になればうまくいきそうな気さえします。

　宇牟ヶ淵君に憑いていた悪霊（？）についてはちょっと切ない気持ちになりました。分かり合おうと思うこと自体が無理なんだと理解していても、どうにかならんものかと考えてしまいます。好意の伝え方って大事。終盤、井戸前での久音君の言葉が救いでした。