<登場人物>
(攻)ガシュアリクス・カトウ・ローゼンフット…ガシュア。勇者の血を引く王族。屈強な体つきの冒険者。22歳。(受)ヨルン…冒険者。珍しいスキルを持つが非力。モブ顔。25歳。
<あらすじ>
「変化」のスキルを持ちあらゆる職業になれるヨルン。しかしどの職業になっても非力なため、正体を隠して様々な身分に化け、忍び込んだパーティの宝をくすねて生活しています。ある時ヨルンはダンジョンの最下層で女性下着風のセクシーな装備を発見。それはヨルンの知らぬ間に勝手に装備されていた上に、まったく外れなくなってしまいます。
<感想>
どう見ても「勝負下着」な呪いの装備が外れない25歳モブ顔男性のヨルン。鍵を握るのは勇者の血を引く王族のガシュア。このガシュアが何もかもが規格外なお方で、自己評価の低い年上のヨルンが色々と振り回されながらも歩み寄っていく過程が楽しかったです。本も二段組みで読み応えばっちりでした。本編はヨルンの一人称で進むためガシュアのめちゃくちゃな様子が際立っていて、ヨルンの困惑がとても伝わってきます。王族と言いつつ野生の獣のようなガシュアが、ヨルンだけに懐いていくのはおそらくヨルンもたまらない気持ちになったのではないでしょうか。
しかもこのふたりって、めでたく恋仲になることで実質世界を救っているんですよね。呪いの装備をめぐる諸々がまさか国の命運を握っていたとはまったく予想できませんでした。
最後の書き下ろし番外編がガシュア視点で、けっこう重大だと思われる事実がさらっと明かされていてびっくりしました。ヨルンが真実を知る時は……そう簡単にはこないだろうな、と感じます。猪突猛進タイプに見えていたガシュアの意外な強かさが垣間見えて、ちょっとニヤニヤしてしまいました。
<オススメ>
・ガタイの良い勇者の末裔×呪いの装備が外れない非力モブ。<関連作品>
・電子書籍(お試し読みができます。)
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