　オカルトとしては緩めの部類に入るとは思うのですが、霊のビジュアルがしっかり怖くて本格感を味わえました。あと亜衣の事情を知った上でもう一度お話を振り返ってみると、なかなかに重い愛を抱えた年下なのがわかってニヤニヤできます。転生やループものとも違う、受を守るため頑張る年下攻の新しい愛の形を見せてもらえました。

　繰り返しになりますが霊の皆様がけっこうちゃんと怖いので、晃が追い詰められていく緊迫感がすごいです。普段の晃は本人の大好きなかわいいものに囲まれているため、ギャップもあるんだと思います。それでも晃の男らしい体つきと彼がしっかり快楽に弱いおかげか、かわいそうには見えないというかむしろ楽しかったですごめんなさい。

　そんな中、どんなにひどい目にあっても相手がかわいいぬいぐるみなら除霊後は大切に直してしまう晃。そういうところが亜衣も放っておけないんだと感じますが、ふたりの繋がりも晃のかわいいもの好きが結んだ縁である以上亜衣も結局譲歩してしまうあたりにとても萌えます。

　実は亜衣の方が晃をずっと想ってきたと明らかになったとき、危険だとわかっていても晃との出会いをなかったことにはできなかったと告白する亜衣にすごく年下みを感じます。そしてあんなに危ない目にあったのに亜衣が無事でよかったと受け入れてくれる晃の包容力に、私も本編最後の宇宙くまさんと同じ顔になっていました。