<登場人物>
(攻)ライル…アキラの護衛兼お世話係。国で最強の戦士。元奴隷。(受)来栖晶(くるす あきら)…大学3年。オタク。少しひ弱。
<あらすじ>
バイト帰りに突然異世界に召喚され、イスリール国の神子として生活することになった大学生のアキラ。少しだけひ弱な今時オタクのアキラでしたが、ムキムキばかりの異世界では小さくてかわいいとまるでハムスター扱い。ちょっとしたことで本当に死んでしまうと勘違いされたアキラのため、国の王が最強の戦士・ライルをアキラの護衛に任命します。<感想>
疲れて帰ってきた夜、寝る前にちょっと本を開くだけでもハッピーな気持ちで眠りにつけそうな、萌と癒しの詰まったお話でした。私の場合は楽しすぎて読みふけってしまい、結局寝不足なのですが。2段組み・約340ページの分厚い本にはムーンライトノベルズ掲載の本編(加筆修正済)と、書き下ろし中編「神子様はいずこ」が収録されていました。イラストは人物紹介と本編、書き下ろしの表紙までとたくさんあって嬉しいです。アラブ風のきらびやかな衣装に身を包んだ超絶美形戦士とハムスター系男子がいっぱい見られて目が幸せでした。
アラブ風ムキムキしかいない異世界に神子として召喚されたアキラ。突然飛ばされてきた本人よりも、周りのムキムキさんたちがアキラのひ弱さに戸惑っているのがおかしくて常に笑いを誘います。「ハムスター扱い」が本当にしっくりくる対応の数々。おっかなびっくりアキラのお世話をするムキムキさんたちがいつでもかわいそうでかわいいです。
そんな中でアキラの本質を見抜き的確にお世話してくれるのが、護衛のライル。ライルとアキラが結ばれるにはなかなかに大変な障害があったはずが、ライルの実力とアキラの謎パワー(?)がうまい具合に作用し合い、すべてがいい方向に向かっていくのがなんだかすごいお話だったなぁと感嘆しています。
そして触れずにはいられないのが、書き下ろしで登場して以来ずっと不思議な存在感を発し続けていた、「ムチムチの鳩」。別に何をしたわけでもないのに、なぜか気になるのです。実は国家機密を託されている鳥さん、私も何かあった時にはそのお体で涙を拭かせてほしいです。
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