<登場人物>
中山駿人(なかやま はやと)…優士の甥。アメリカへの進学を希望。
中山優士(なかやま ゆうじ)…翻訳家。現・中山家の大黒柱。32才。眼鏡。
中山菊花(なかやま きっか)…小学生。駿人の異父妹。8才。
中山コウ(なかやま コウ)…優士の異母弟。社会人。
<あらすじ>
駿人の思うようなものかはわからないものの、自分の気持ちを告げるに至った優士。その後駿人と菊花がアメリカへ旅立ったのを機に、これまで家族で暮らしていた家を手放し、優士とコウはそれぞれ一人暮らしを始めます。
<感想>
シリーズ最終巻となってしまいました。優士がようやく想いを伝えてくれたというのに、駿人と菊花ちゃんはアメリカへ。最初、優士はまた大人の余裕と弱気を発揮したのかと思ったのですが、家に帰ってきた駿人との会話は清々しくて度肝を抜かれました。こういうときですら、表面上は変わらない優士がかっこよく見えて悔しささえ覚えます。駿人が聞き返してしまうのも頷けました。
さらに驚いたのが、優士が家族で暮らしていた家をあっさり手放してしまったこと。さみしいとサラッと伝えてくるコウに対し、淡々と一人暮らしに突入したかに見えた優士。でも初めての一人暮らしで仕事はフリーランスとくれば、人知れず追い詰められていく結果は必然のように感じます。コウから見た優士の描写がすごく刺さりました。
そんな優士を遠くから支えたのが、離れていても同じ空の下にいた駿人。こんなところでも、歳の差や駿人の若さが効いてくるのが特に感動的でした。駿人が遠くへ行っている間に、優士の方がより想いを深めることになろうとは予想外でした。
優士と駿人の関係って、とても一言では表せない独自のものになったのかなと感じられます。優士が駿人を恋愛的な意味で好きになったとしても、家族であることは変わらないのですよね。当たり前に朝ごはんを作ってくれた優士にそれが感じられてすごくよかったです。私の勝手な思い込みもあるかとは思いますが、このふたりについてはすごく良いラストだったと感じました。10年粘った駿人に拍手を送りたい気持ちです。
最後のお知らせによると、番外編シリーズ連載決定とのこと。コウと日高に進展が見られたらいいなあと願いつつ、菊花ちゃんのことも応援しています。
<オススメ要素>
・シリーズ完結。
<関連作品>
・電子書籍(お試し読みができます。)
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