弟はたくさんだ! /ちしゃの実 【漫画感想】
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『弟はたくさんだ!』(表題作)
<登場人物>
(攻)春ヶ崎千暁(はるがさき ちあき)…義理の弟。21歳。
(受)春ヶ崎雪(はるがさき ゆき)…春ヶ崎家の長男。パティシエ。23歳。
春ヶ崎槙(はるがさき まき)…実の弟。20歳。
兎沢翔真(とざわ しょうま)…隣の家の弟(分)。21歳。
ニコラス…前世の弟。32歳。
<あらすじ>
両親がハワイに移住してしまい、春ヶ崎家の長男・雪は代わりに4人の弟の面倒を見ています。実の弟、義理の弟、隣の家の弟(分)、前世の弟の4人は皆雪のことが大好きですが、その中でも義理の弟・千暁だけは雪に本気で迫ってきます。
<感想>
個性のすごい弟達のおかげで笑ったりしんみりしたり忙しかったです。千暁が春ヶ崎家にくることになった経緯と、来たばかりの頃に起きた事件がかなり悲惨なんですが、現在の春ヶ崎家は悲しんでいる暇もないくらいの楽しい家庭です。名物・兄弟風呂がシュール過ぎました。
雪はブラコンですし弟達も雪のことが大好きですが、みんないい人なのと雪に対する気持ちの種類はそれぞれ違ったみたいなので、特に誰かが失恋でかわいそうな感じに、とはならなくて良かったです。
それにしても、ニコラスは一体何者なんでしょうか……。前世の弟(32)とは。雪の頭痛も気になりますが、そこに触れてはいけないようにも思えます。
『南風が男たちを熱く兄弟にして契らせる』
<登場人物>
(攻)李龍維(り りゅうい)…海の豪商李家の跡取り。
(受)思雨(しう)…李家の小間使い。
<あらすじ>
中国近世、“男風”(なんぷう・男同士の性愛)が一大流行した時代、“契兄弟”という男同士が兄弟の契りを結び愛し合うという習俗がありました。
李龍維は男風には染まらず、しかしたくさんの美童が迫ってくるので、小間使いと一緒でないと外出できません。そんな龍維でしたが、ある日の茶館でふてぶてしい態度をとるモブ小間使いの顔をよく見てみたところ、彼が実はめちゃくちゃ可愛いと気が付きます。
<感想>
作中での様子はフィクションの部分を多く含みますと注意書きがありましたが、どうやらこの「契兄弟」、史実にあるみたいです。
龍維がただのモブだと思って話していた目の前の小間使い、字やふきだしでナチュラルに顔が隠れていて、冒頭では本当にただのモブ扱いです。それが龍維に対して妙にふてぶてしい応対をし、その存在を主張してきます。
そこで久しぶりによく見てみたらとてもかわいい顔をしていた思雨。ついさっきまで男風を否定していた龍維でしたが、モテる思雨が誰の契弟になるか選んでいると知って気が気ではありません。
思雨は思雨で龍維のためを思って行動していたわけですが、あっという間に男風に染まる龍維。ふたりが契兄弟になれる日もそう遠くなさそうです。
『薔薇男の夜』
<登場人物>
(攻)山田雅夜(やまだ まさや)…大学生。晴純と同じ学科。いろいろ充実してそう。
(受)土屋晴純(つちや はるすみ)…大学生。薔薇が好きでたくさん育てている。
<あらすじ>
大学生の晴純は、薔薇が好きで家の庭でたくさん育てています。薔薇を恋人のように愛で、名前まで付けている晴純。庭で薔薇に話しかけながら手入れをしていると、突然全身に薔薇を巻きつけた全裸の男が現れ、「俺は薔薇の妖精だ」と言って晴純にキスをしてきます。
<感想>
雑誌で読んだことのあるお話で、当時それをきっかけにちしゃの実先生のコミックスを集めはじめました。なので既読の作品だったんですが、それでもこの『薔薇男の夜』が一番強烈に感じました。
晴純の庭に突然現れた薔薇男、最初はファンタジーなのか微妙に区別がつかなくて、そのあやふやな中で晴純のマジ突っ込みが入ります。大笑いしてしまいました。
薔薇男は晴純のよく知っている相手(でも話したことはない)、同じ大学で薔薇のようにキラキラしていた山田でした。けれど山田は、晴純が庭で育てすぎて道路にはみ出していた薔薇にひっかかって転んだせいで、記憶がありません。
薔薇の妖精として晴純に愛を囁く山田。これどうなっちゃうんだろう……?と先が気になって仕方ありませんでした。雑誌で読んだときにすでにオチがついていましたが、描き下ろし「その後普通に付き合ってる」(1P)でふたりのその後がわかって嬉しかったです。
<オススメ要素>
・個性的なキャラが多数登場し、ギャグもみっちり。
・ドタバタ忙しいですがどのカップルもしっかりBLしています。
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