花嫁代行、承ります! 榛名悠(著)/サマミヤアカザ(イラスト) 【小説感想】

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<登場人物>

 (攻)桐丘博臣(きりおか ひろおみ)…大企業の跡継ぎ。現在は専務。

 (受)北森奏多(きたもり かなた)…便利屋。女子顔負けの美貌。


<あらすじ>

 便利屋で働く奏多は、女子顔負けの美貌を気に入られブライダル会社のPVに花嫁役で出演することになります。ところが、撮影の当日に現れた新郎役の人物は、奏多の高校時代の同級生・博臣でした。
 高校2年の時に博臣に告白され、振ってしまったことのある奏多。気まずさから撮影中は正体がバレないよう必死に振る舞い、その日はどうにか切り抜けます。しかし、後日博臣が奏多の職場を訪れ、専属の家政夫として奏多を雇いたいと言い出します。


<感想>

 同級生再会ものでした。高校2年の頃に、奏多は博臣に突然キスされ告白されますが、混乱が勝って手酷く振ってしまいます。それまでは奏多が苦手な水泳の練習に付き合ってくれていた博臣。友情を裏切られたように感じた奏多はそれ以来10年以上博臣と関わることはありませんでした。

 友達だと思っていたのに、という当時高校生の奏多の気持ちは理解できます。けれど、BLでよく出てくる過去に主人公を傷つけたモブのような振り方だったため、この時の奏多はかなりひどい人に見えてしまいました。10年後に再会して奏多と専属契約を結びたいと言った博臣が、(奏多もそうでしたが)これは本当に復讐にきたんだと思いました。

 ところが、博臣は今までずっと奏多への恋心を捨て切れなかった様子。奏多が家政夫として働きはじめた初めのうちこそ掃除に文句を言ったりメイド服を着せたがったり嫌がらせのようなことをしてきますが、結局奏多を好きでたまらないのがダダ漏れています。溺愛片想いこじらせ攻です。

 そんな状態で徐々にほだされていく奏多。博臣へと気持ちが揺れ始めますが、そこへストーカーの影がちらつきます。このストーカー騒ぎが解決まで一筋縄ではいかず、おもしろかったです。

 奏多は博臣の家政夫をしながら、同時に博臣の甥っ子のベビーシッターも請け負うことになります。この甥っ子が集めている2匹のウサギが主人公の絵本が出てくるのですが、これがいいキーアイテムでした。

 あまり詳しく書いてしまうと核心に触れるネタバレになってしまうんですが、これはかなり壮大な告白に思えました。全国に向けてラブレターを発信しているような。博臣のこじらせ具合は計り知れません。


<オススメ要素>

・同級生再会もの。


<関連作品>

・電子書籍(お試し読みができます。)
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