ドラゴンの谷からケモノの森まで /九重シャム 【漫画感想】

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<登場人物>

 (攻)モコ…人狼の青年。

 (受)ソル…ドラゴン。人との混血。


 (攻)フェリ…双子の弟。ソル似。

 (受)コラン…双子の兄。モコ似。


<あらすじ>

 森で生きる人狼のモコは、趣味の石集めの最中にドラゴンの谷に迷い込みます。そこで出会ったのは、人との混血であるために同族からひどい扱いを受けていたドラゴン・ソルでした。
 同族以外を嫌い排除しようとする他のドラゴンからモコを助けようとしたソルは、怒りを買って谷を追い出され、その後はモコと一緒に森で暮らし始めます。


<感想>

 他の種の血が入っていながら森でまっすぐに育ったモコと、不浄だとしてひどい扱いを受けてきたソル。谷でモコに連れ出してもらったソルが、あたたかい動物達に囲まれて森で幸せになるお話です。

 ソルは登場時はドラゴンの姿をしていますが、人との混血のため人の姿になれます。角と尻尾と少しの鱗が残った人型のソルは大変美しいです。一方で表紙のモコモコの方の彼・モコは、成長して大きくなっていくものの、基本人狼姿のままでソルのような変身はしないようです。

 出会った頃はまだどことなく幼さの残る容姿のふたりに加え、他の種の優しいケモノたちもたくさん登場して、まるで絵本を見ているようです。ですが傷ついたソルが成長してモコと幸せな家族を築いていく過程は、私のような腐った大人をも存分に感動させてくれる愛にあふれたお話でした。

 後半では、モコとソルに新しい家族ができます。双子のフェリとコラン、なんとこのふたりが番になります。

 ケモノの感覚では、兄弟で番になることは不思議なことではない様子。けれどコランのことを人に近いと思っているフェリにとって、コランへの気持ちはとても辛いもののようです。これはわかりあうのは難しそう……。

 それでも確かな兄弟愛から仲直りできたフェリとコラン。ドラゴンになったフェリを見ると、かつてのソルが思い出されてぐっときます。子供達を見守るソルとモコもしっかり大人になっていました。

 描き下ろしの番外編は、双子が生まれる前後のお話。モコにそっくりな仔供を想像して赤くなるソルがかわいいです。ボレロはいつでもいいキャラでした。


<オススメ要素>

・ピュアで優しい人狼×美貌のドラゴン。


<関連作品>

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