ぼくの歪な楽園 /ハシモトミツ 【漫画感想】
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<登場人物>
(攻)冴木柊平(さえき しゅうへい)…借金取り。誘拐犯の義理の息子。
(受)小日向八雲(こひなた やくも)…大学生。12年前に誘拐された。
小日向出雲(こひなた いずも)…八雲の実の兄。
<あらすじ>
柊平を孤児院から連れ出し、息子にしてくれた「おじさん」。ある日おじさんが新しい家族として連れてきた八雲と、柊平はつがいとして背徳的な行為を教え込まれていました。
実は誘拐犯だったおじさんが逮捕されてから、12年後。借金取りになった柊は、街で八雲と偶然再会します。子供のころの生活を消化しきれずにいた柊平は、揉めている八雲を助け、勢いで自宅に連れ帰ってしまいます。
<感想>
すべての発端は柊平の義理の父親だった「おじさん」なんですが、このおじさんは柊平と八雲が小さい頃に誘拐犯として捕まり、そこからは柊平の頭の中以外では一切登場してきません。
物語は、おじさんがいなくなって子供の柊平と八雲が離れ離れになってから12年後のお話。八雲がラブホの前で実の兄・出雲と揉めているところに出くわした柊平。勢いで八雲を助け、そのまま自宅に連れ帰ります。
子供のころのつがいとしての日々を忘れられずにいたふたりは、迫る八雲の主導で一緒に暮らし始めます。柊平にだけ会えればいいとあっけらかんと言ってのける八雲に対し、柊平は自分がかつてのおじさんと同じになってしまうのではないかと苦悩します。ですが八雲の誘惑には逆らえず。おじさんの亡霊に苦しみながらも、柊平がおじさんと同じ道を辿っているのが見え隠れしていて、病んでいるのは八雲だけではないことがわかります。
けれど、常識ある人間に育ったようにみえる柊平は、自分がおじさんと一緒になってはいけないと必死に抗っているように思えます。でもそれでは八雲がひとりぼっちになってしまうので、八雲としてはどうしても自分の側に引きずりこみたいのかな、と考えたり。かといって八雲が出雲と関係を持つに至った経緯がすごく切ないものがあったので、八雲のことも憎めないのです。どこまでが本当かはわからないですが……。
誰が悪いかと言われれば当然おじさんなわけですが、子供のころに植えつけられたものから抜け出せないまま、彼らなりの幸せを追い求めた結果に周囲の理解が得られるかはわかりません。それでも、少なくとも八雲は「楽園」にたどり着いたと感じていることが重要なのかもしれません。周囲を巻き込むヤンデレたちの思考回路に、読めば読むほどドツボに嵌ってしまいそうです。
それから、身勝手な部分がありながらもどこまでもかわいそうだった八雲のお兄さん。最後の描き下ろしが実に絶妙でした。私は彼のお母さんの一言が救いに感じられ、これを出雲本人ではなく親に指摘されるところに、巧い、と唸ってしまいました。
ところで、これは私のものすごく身勝手な妄想なんですが、このふたりリバる予定はないでしょうか。柊平の容姿や表情がものすごく好みでして、そのうち八雲にうまいこと丸め込まれてくれないかしら、とリバ妄想がはかどっています。
<オススメ要素>
・全員ヤンデレ。
<関連作品>
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