『行方不明。』 /kanipan 【漫画感想】

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<登場人物>

(攻)亮(りょう)…彼女の部屋でヒモ生活。

(受)山口楓(やまぐち かえで)…清掃員。22歳。

 

<あらすじ>

 清掃員をしている楓と、彼女のヒモ生活をしている亮。昔馴染みのふたりは8年ぶりに再会、誰にも言えない秘密を抱えながら互いを求め合い、逃避行中です。

 

<感想>

 最初から訳あり感満載、というか悲しい事情しかないふたりの逃避行から彼らが選んだ結末までが真正面から描かれていました。物語は静かに展開されていく印象ですが、彼らの一挙手一投足から目が離せずぐいぐい引き込まれていきます。すごいものを読んでしまいました。

 亮と楓が共有する「秘密」については、ごまかしなく何があったのかわかるようになっていたのが衝撃です。それについてそれぞれがどう感じていたのかも描写されていて、当時はふたりの気持ちにズレがあり、それが8年後の再会・事件を機にうまいことかみ合っていくのがもうお見事としかいいようがありません。

 最初は楓があまりに流されやすくて、これは亮に連れられてメリバまっしぐらなのではと考えていました。しかし楓の性格はきっと過酷な幼少期を生き抜くための術で、彼にも譲れない意志は常にあったんだと思います。最初に楓を助けてくれたのは亮で、そのおかげで生き延びた優しくて正しい楓の心が、ふたり一緒にハッピーエンドに導いてくれたんだと信じています。

 それにしても描き下ろしからのカバー下までがなんかもう……もう!という具合で言葉になりません。ここでの幕引きが一番いいのは百も承知の上で、この後のふたりを見せてほしいと願う気持ちを止められません。

 

<オススメ>

・逃避行の行方。

 

<関連作品>

・電子書籍(お試し読みができます。)

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・番外編
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