<登場人物>
(攻)禄斗(ろくと)…七海の恋人で同棲中。(受)七海(ななみ)…黒髪美人。禄斗を愛している。
<あらすじ>
恋人同士の禄斗と七海は仲良く同棲中。しかしデート中の七海に違和感を覚えた禄斗は、何か隠し事があるのではと疑いを持ちます。<感想>
またすごい本に出合ってしまいました。本を開いてからずっと、ああかもしれない、いやこうだったのかもしれない、と考えるのをやめられません。おそらくはその時感じたことがその時の正解なんだと思います。でもこれが一番辻褄が合うよ!のルートがあれば切実に教えていただきたい気持ちです。もしくは公式見解がどこかにないでしょうか。以下は無知の私の感想でしかないのですが、一応感じたことをまとめます。帯の「ホラー」の文字に、耐性のない私はブルブル震えながら読み始めました。確かに恐ろしいことが起こっているのは理解できて、しかしそれ以上にふたりの行く末が気になって気になって、とても怖がっている暇がありません。
あとは本編ラストについて。最初はふたりとも生まれ変わって、人間になった禄斗のところに寄生生物になった七海がやってきて、今度こそ幼馴染からやり直そうとしたのかと思ったのです。でも読み返してみるとそれは違う気がしてくる……。
発見されたのが七海だけっぽい事実が、多くの他の可能性を想起させます。でも禄斗が七海を食べた様子はないような。七海の身体と思い出は綺麗なまま、禄斗は次の寄生先へ向かったのかもしれません。最初の印象を引きずっている私は、禄斗が自分に似ている少年を選び、次は七海っぽい姿になって本当の幼馴染をやりたかったのかな、と希望を持ってしまいました。彼らの食事方法が変わらない限り無理なのはわかっているのですが。
いずれにせよ、きっとすでに壊れてしまっていた七海にとっては最後にちょっとだけ楽しく生きられたのではないでしょうか。屋上での七海の言葉は、本当に心からのものであると信じられます。禄斗のためだったとはいえ、七海のしたことが許されないのも事実。なので彼の選んだ結末には納得でした。
<オススメ>
・無自覚ド執着×黒髪健気美人。※紙本の帯に全プレ情報がありました。
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<関連作品>
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