表紙のインパクトが絶大な表題作、裏表紙で帯を取るとウサギの素顔が見られます。さらにカバーをめくると不審なウサギさんがブルブルしていました。
『花とうさぎ』(表題作)
<登場人物>
(攻)相澤守(あいざわ まもる)…ウサギをかぶらないと気がすまない。内職で生計を立てている。
(受)梶山亮太(かじやま りょうた)…運送会社の新人配達員。22歳。
<あらすじ>
運送会社に入社したばかりの新人・梶山は、ほぼ毎日依頼のあるお得意先・相澤の家を訪れ驚愕。なぜかいつもウサギ頭をかぶっている相澤のことがはじめは怖くて仕方なかった梶山ですが……。
<感想>
人見知り故に自分の顔を見られたくなくてウサギ頭をかぶっている相澤さん。しかも背が高いようなので威圧感も加わり、完全に不審者です。
相澤さんがウサギをかぶるのは人と顔を合わせるときだけなので、普通に素顔で外出していました。なのでわりと早い段階で梶山さんには顔がバレています。
実は相澤さんは梶山さんに一目惚れだったらしいです。ウサギ頭のまま控えめに距離をつめてくるため、梶山さんも気になってしまった様子。その後は遊園地デートをしたり相澤さんが気合いの入ったご飯を作ってくれたりとほのぼの進んでいきました。
ただヘタレな相澤さんは梶山さんとふたりきりのときでも基本ウサギ頭のまま。痺れを切らした梶山さんと少し距離ができてしまいますが、その後無事一線を越えたようです。ここはほぼ朝チュンなんですが、朝イチのインターホンに出ようとした相澤さんが頭かくして尻隠さずを体現してくれたのには爆笑でした。
描き下ろしでは、フ○ラをしたいけど顔を見られたくないという相澤さんがまさかの行動に出ていました。なるほど、自分の顔を見られたくないだけなら、なにも相澤さんがウサギをかぶる必要はなかったわけですね。
『あの笑顔をもう一度』
<登場人物>
瀬川(せがわ)…高校生。生徒会長。
藤村律(ふじむら りつ)…高校生。ピアノコンクールを控えている。眼鏡。
<あらすじ>
学校が文化祭の準備で盛り上がっている中、藤村はピアノのコンクールに向けて音楽室で練習しています。そんな藤村をいつも待ち構えているのが、生徒会長の瀬川。瀬川が文化祭で藤村にピアノを演奏してほしいとしつこく迫ってくるため、藤村は憂鬱です。
<感想>
高校生同士のしっとりほんわかしたお話でした。ピアノのコンクールを控えている藤村は、過去のトラウマからコンペ一直線で文化祭は眼中にありません。それでも文化祭で藤村に弾いてほしい瀬川が、毎日音楽室で藤村を待ち受けています。
面倒見の良さそうな瀬川が多少強引でも藤村を引っぱってくれる感じが、この先うまくかみ合っていきそうで微笑ましいです。藤村のトラウマも本人にとっては一大事なのはよくわかりつつも、かわいらしくてつい笑ってしまいました。
『僕らの最大公約数』
<登場人物>
(攻)三戸翔平(みと しょうへい)…高校生。家は食堂。
(受)隆史(たかし)…たっちゃん。高校生。朝が弱い。眼鏡。
<あらすじ>
高校生の翔平と隆史は、翔平から告白し、付き合い始めて一ヶ月。キスやそれ以上のことがしたい翔平ですが、隆史はつれない態度です。
<感想>
高校生同士の攻受攻防が楽しいお話でした。決着をつけるためのたっちゃんの発想に笑い、その後に待っていた翔平の真実にさらに爆笑。ここまでの流れで絡みは薄めかな、と思っていたら、一瞬見せてくれたたっちゃんの顔がかわいい上にエロかったです。
「あの笑顔をもう一度」に登場していた瀬川もちょっとだけ出ていて、意外と翔平に薄情なことを言っていたりするのがツボでした。実はいろいろお見通しな感じがすごくよかったです。
<オススメ要素>
・このウサギは攻です。(帯より)
<関連作品>
・電子書籍(お試し読みができます。)
BookLive!/
Renta!/
ひかりTVブック/
コミックシーモア/
eBookJapan/
BOOK☆WALKER
・シリーズ
(感想記事はこちらです)
僕らの最大公約数 (GUSH COMICS)
posted with ヨメレバ
嘉島 ちあき 海王社 2015-05-09
・CD
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