時間停止系ラブハメえっち /小坂つむぎ 【漫画感想】

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『時間停止系ラブハメえっち』(表題作)

<登場人物>

 (攻)大川大和(おおかわ やまと)…会社員。翔介を連れ出し同居中。

 (受)伊賀島翔介(いがしま しょうすけ)…20分時間を止められる。


<あらすじ>

 時間を停止できる能力を持つ翔介は、10年間実家に軟禁されていたものの、ある日大和に連れ出されそのまま同居中。大和に片想い中の翔介は、こっそり時間を止めては大和にイタズラをしてしまい歯止めがきかなくなっています。


<感想>

 時間を止められる特殊能力故に軟禁されていた過去があり、さらにそこから救ってくれた王子様攻には真実を告げられない……一見シリアスな要素が満載ですが、掘り下げていくほどにギャグ色が濃くなっていき、ふたりは明るく楽しく試練を乗り越えてくれました。

 同居をしていても翔介は大和に自分の気持ちを伝えられず、夜な夜な時間を止めては大和にイタズラする日々。最中の翔介はとても楽しそうではありますが、大和の反応が全くないのはやはり切ないものがあります。後半の時間停止なしでの絡みに翔介が動揺する姿と比較すると、互いの反応って大事なんだなと改めて思い知らされました。

 最初は翔介の実家が怖そうでドキドキしたものの、みんな翔介のことが大好きで、愛されていたのがわかってしまえばほのぼのした気持ちで読めました。しかも大和と翔介も実は愛すべきおバカさん同士なのでは、と考えると今後も応援したくなってきます。互いが好き過ぎてのすれ違いは特にかわいかったです。



『ようこそ、ここは僕の世界』

<登場人物>

 (攻)加納雅治(かのう まさはる)…新入生。

 (受)伊賀島宗介(いがしま そうすけ)…生徒会長。美人。時間を止められる。


<あらすじ>

 入学式に出席していた加納は気づくと周囲が動かなくなっており、さっきまで壇上で挨拶をしていた生徒会長がいきなり服を脱ぎだし目の前でセックスを始めます。加納は自分だけが動けることを隠そうとしますが、すぐに見つかってしまい……。


<感想>

 時間を止められる受となぜかその力が通用しない攻の短編でした。こちらの時間停止系受の宗介もまた振り切ったお方で、能力を使って入学式中に新入生の童貞を奪うというAVもびっくりのプレイに勤しんでおられました。

 しかし加納くんにだけは宗介の力が効かない様子。それに気づいた宗介は怯むどころか加納くんを伴って壇上で事に及びます。ノリノリの宗介がマイクまで使うほどの大胆さを見せつけてきたと思ったら、意外なところでピュアな面をのぞかせてくるのはたまらなかったです。

 先生のあとがきによれば、宗介は表題作の受・翔介の弟とのこと。この2人が兄弟というのがあまりにもしっくりきて嬉しくなってしまいました。こう、絶妙に似ている感じを確かめたくて何度も読み返したくなります。



<オススメ要素>

・天然スパダリ×片思いツンデレ。(帯より)



<関連作品>

・電子書籍(お試し読みができます。)

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