風俗♂の溺愛トライアングル 吉川丸子(著)/亜樹良のりかず(イラスト) 【小説感想】

記事内に広告が含まれています。


<登場人物>

 (攻)森末寛貴(もりすえ ひろき)…ROSE BUD店長。黒髪長身。デパートのマネキンのような美丈夫。

 (攻)天春晶良(あまはる あきら)…ROSE BUDオーナー。金髪。寛貴とは幼馴染で、年上。

 (受)伊浦悠(いうら ゆう)…大学生。お金がない。19歳。


<あらすじ>

 怪我をした猫を拾ってしまった苦学生の悠は、お金がなくて困っていたところを大学の先輩に騙され男性相手の風俗店を紹介されます。はじめは怯えていた悠でしたが、面接で提示された金額に目がくらみ、店長の寛貴に口で奉仕し才能を開花。男性器愛に目覚めた悠が店で働き始めると、店のオーナー・晶良から悠に指名が入ります。


<感想>

 何度吹き出したかわからないくらい笑いました。風俗店を舞台にタイトルと表紙を裏切らない甘エロ3Pが拝める上に、登場人物たちが意外なほど純な恋愛をしているのが新鮮です。ただしみんなちょっとずつ頭がおかしいようで、特に悠の妄想大劇場が繰り広げられるたびに笑い過ぎて読み進められない事態に……。私にとっては笑いのツボを刺激される頻度があまりにも多く、読むのにだいぶ時間がかかりました。

 お話はライトな雰囲気で読みやすいと思います。3人の大人がびっくりするくらい初心な恋愛をしているにもかかわらず、そうならざるを得なかった背景がそれぞれに匂わされているのでむしろギャップに萌えました。そしてたぶんおそらく全員が変態です。男性器愛の悠に、覗きと寝取られ好きの店長、節操なしのオーナー。もはや最強の布陣といっていいのではないでしょうか。

 悠は風俗店のボーイになるので、お客さんとのお仕事シーンがちょっとだけあります。ですがそこは店長が悠をNG多めにしてくれたので、お客さんとの本番はナシです。悠の初めてはオーナーが優しく買い取ってくれるため、本命以外とはちょっと……な人も安心して読めると思います。

 店長とオーナーへの気持ちで揺れる悠の心情も、「恋煩い」という表現がぴったりでかわいらしかったです。こんなに素敵な二人を同時に好きになってしまったら、ただでさえ自己評価の低い悠が思い悩むのは納得でした。

 複数モノといわれると私はみんなで仲良くするのが当たり前だと思って読んでしまうので、3人でなければならなくなる過程をじっくり段階を踏んで見せてもらえたのは久しぶりで嬉しかったです。本来の複数での恋愛とはこういうものだと原点に立ち返らせてもらったような感覚でした。

 亜樹良のりかず先生のイラストもしっとり華やかで、隅々まで見入ってしまいました。ROSE BUDは「美形がカンスト」しているのがすごく伝わります。


<オススメ要素>

・覗き寝取られ好き店長+年齢不詳の美形オーナー×男性器愛に目覚めた苦学生。


にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説読書感想へ



コメント

タイトルとURLをコピーしました