表題作４話＋『童貞の俺を押し倒したのは幼馴染でした』（短編）の２作品が収録されています。巻末にあとがきが１P、カバー下では表題作のふたりのかわいいその後が見られました。
『助けたヤクザに狙われてます！？』（表題作）
＜登場人物＞
（攻）黒川鳳純（くろかわ ほずみ）…黒川組組長。長男。
（受）田中晃太郎（たなか こうたろう）…タクシー運転手。３０歳。眼鏡。
＜あらすじ＞
田舎の町でタクシー運転手として働き、平凡で平和な生活が気に入っていた晃太郎。このままの日常が続くだろうと思っていたところへ、突然血だらけのヤクザ・鳳純が晃太郎のタクシーに乗り込んできます。どうにか追っ手を撒けたはいいものの、後日再び現れた鳳純は、恩返しだといって晃太郎を連れ回すようになります。
＜感想＞
同時収録の短編含め、登場人物全員の顔が良くてびっくりしました！近所のおばさまからスナックの女の子まで、モブキャラのみなさんもいい笑顔で見入ってしまいました。
組長の鳳純さんは、いかにもヤクザな悪い顔をしたかと思えば晃太郎さんの前では子供っぽく無邪気に笑ったりもするとても魅力的なお方。人を好き勝手に連れ回すわりには、急に相手に合わせてみたり、ずっと「晃太郎さん」と丁寧に呼んでいたり。絡みシーンの色気もすごい。服を脱がなかったのも晃太郎さんへの気遣いだったなんて、さすが組長、全方位抜かりなく男前でいらっしゃいました。
一方の晃太郎さんも、平凡とはいいつつも、酔ったり鳳純さんに押し倒されたときのかわいさは半端なかったです。流されやすいのに意外と肝が据わっているところも鳳純さんのツボだったのではないでしょうか。良い眼鏡さんでした。
鳳純さんがたまに怖い一面をのぞかせるのでどうなることかと思いましたが、最後は驚くほどのハッピーエンドなので安心して読めます。カバー下の後日談もとてもほのぼのしていて癒されました。
『童貞の俺を押し倒したのは幼馴染でした』
＜登場人物＞
（攻）赤渕蓮（あかぶち れん）…高２。女の子にモテる。
（受）伊藤要（いとう かなめ）…高２。優等生。童貞。伊達眼鏡。
＜あらすじ＞
物心ついたころからずっとライバルだった蓮と要。勝負を繰り返してきましたが、蓮が非童貞であることに決定的な差を感じていた要。蓮の女との関係がすべて遊びだったと知った要が詰め寄ると、蓮はどちらが相手を上手く口説けるか勝負を仕掛けてきます。
＜感想＞
幼馴染、学ラン、さらにはとにかく顔がいい高校生同士の勢い溢れるお話でした。何度も言ってしまいますがこちらのキャラクターたちももれなく顔がかっこいいのです。互いを口説く勝負中に相手の顔を褒めるくだりなんかはひたすらに頷いてしまいました。
要にとっては追い越し追い越されの関係を続けてきたと思ったのに、一人だけ童貞を卒業してしまった蓮。焦る要をよそに、遠回しな蓮のアプローチが不器用でかわいいです。最初は簡単に流されていた要が、いざ無理矢理されそうになればちゃんと蓮を殴るのも男らしくてよかったです。蓮の気持ちがわかったときの要の笑顔もすごくいい。これは惚れるし、蓮が負けを認めるのもわかる気がします。
＜オススメ＞
・組長×田舎のタクシー運転手。（表題作）
・学ラン幼馴染。（短編）
＜関連作品＞
・電子書籍（お試し読みができます。）
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