<登場人物>
(攻)タナカイオリ…カナメの疑似パートナー。旧式の専門家。見た目はチャラい。
(受)スズキカナメ…遺伝子工学研究員。眼鏡。
(攻)ハナモトマナ…元研究員。街で宿を営んでいる。
(受)タナカリセ…イオリと同じ施設で育った友人。
<あらすじ>
イオリと再びパートナーになり、改めてプロジェクトをスタートさせたカナメ。研究所所長にプロジェクト終了後もイオリと正式に付き合いたいと伝えますが、イオリからの連絡は途絶えてしまいます。
<感想>
カナメははっきりと想いを伝えたものの、イオリからの明確な答えは得られなかった上巻。イオリやリセの過去が明かされ、彼らは相当な事情を抱えていることがわかります。
旧式を習得している上に生い立ちもわかってくると、イオリたちの方がよほど人間らしく見えてきます。自他ともに「人間ではない」と言うクローンと、愛情とは縁遠い生き方をしている人間。私の勝手な解釈ではありますが、双方が愛を食べて生きることで人間らしい存在になっていく流れは美しくて感動します。
後半は本編から数年後のお話で、訳あり元研究員マナとイオリの友人リセが主役でした。こちらもすごく感動的で、読み終わった後はしばらく放心状態でした。それからタイトル『斯くして、心音鳴り止まず。』がもう素敵過ぎて。どこから読んでも効いている気がするしおしゃれだし、とにかく大好きになりました。
喜べるハッピーエンドではありますが、マナをこれまでを思うと切なさが押し寄せてきます。取り乱したリセを冷静に諭せるのも、すべてを理解した上で別れを告げられるのも、マナが孤独に生きてきた時間の長さを考えさせられます。「extra」での「人間の業を背負い」という表現があまりにもしっくりきて笑ってしまいました。リセにはぜひ長生きしていただきたいです。
<オススメ>
・見た目はチャラい、旧式の専門家×真面目研究員(眼鏡)。
<関連作品>
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