CROSS NOVELS 創刊15周年記念小冊子「クロほん」 【全サ感想】

記事内に広告が含まれています。
クロほん (2)


 クロスノベルス創刊15周年小冊子。指定料金(400円)の払込受領証と、クロスノベルス作品の帯の応募券3枚の郵送で応募できました。(受付は終了しています。)

 小説は各作品とも2段組約10ページ、イラストは先生ごとに1ページのかき下ろしが収録されていました。



<収録作品>

<小説>
かわい有美子「花色景色」(『透過性恋愛装置』)
弓月あや「蜜の褥のその中で」(『甘い蜜の褥』)
成瀬かの「ガッセラ家に来て間もない頃の里玖の話。」(『僕の悪魔-ディアブロ-』)
いとう由貴「いつでもそれは咲き始めた花」(『秘蜜』)
六青みつみ「極北に灯る愛」(『空の涙、獣の蜜』)
松幸かほ「十五地蔵様の不思議」(『狐の婿取り』)
華藤えれな「銀狼の可愛い災難」(『銀狼の婚淫』)
浅見茉莉「パンダファミリーの記念日」(『あにだん~アニマル系男子~』)
丸木文華「モンスターフレンド 番外編」(『モンスターフレンド』)
栗城偲「てのなるほうへ 番外編」(『てのなるほうへ』)
秀香穂里「旅立ちたいと言われても」(『結婚したいと言われても』)
日向唯稀「極道漢・蜂村が行く!」(『姐さんの飯がマズい!!』)
真船るのあ「はっぴぃあにばぁさりぃ!」(『サムライ花嫁』)
高峰あいす「ケモミミマフィアは秘密がいっぱい 番外編」(『ケモミミマフィアは秘密がいっぱい』)


<イラスト>

小椋ムク/明神翼/みずかねりょう/yoco/小山田あみ/サマミヤアカザ/石田要/コウキ。



 既読のものは1作品だけでしたので、そちらと巻末に収録されていた「編集後記」の感想です。



『モンスターフレンド 番外編』 /丸木文華

<登場人物>

 (攻)高梨悠馬(たかなし ゆうま)…高校生。幼馴染の湊に執着している。

 (受)杉浦湊(すぎうら みなと)…高校生。順応性が高い。


<あらすじ>

 湊は秋も冬も悠馬と過ごし、そして高校生活最後の春休みを迎えます。
 花見に行きたいと言った湊に対し、夜の方が綺麗に見えるという悠馬の提案で、ふたりは夜桜を見に日が落ちてから出かけることになります。


<感想>

 本編は湊と悠馬の高校2年の夏休みが終わったところまでだったので、こちらは湊が悠馬の手に落ちてからそろそろ1年が経とうとしている頃のお話でした。

 悠馬にしたいことを聞かれたので、適当に「花見」と答えた湊。当然昼間に行くものだと思っていた湊でしたが、悠馬からの提案で夜桜見物に出かけることになります。

 まだ夕方だからといって花見の前に湊を抱く悠馬。湊は本人の予想に反して、悠馬がいないと満足できない身体になってしまったようです。湊が前後不覚になっている最中に悠馬が皐月ちゃんの話を始めるのですが、湊はもう気にしなくなっています。この時の悠馬の話がけっこう怖かったです。一番怖いのはもちろん悠馬なんですが、皐月ちゃんもかなりのものだったんだな……と。改めて背筋がゾッとしました。

 その後一旦家に帰り、湊は母親と夕食を取ります。その時の会話で、湊の母は湊が変わったことを指摘してきます。そこで湊はいつのまにか自分の考え方が悠馬に似てきていたと気が付きます。

 それでも、湊は自分に対する悠馬のブレない態度を心地よいと感じ始めているようです。自分の家族ですら悠馬の手にかかる可能性に恐怖を覚えつつも、湊が心も身体もじわじわと確実に悠馬のものになっているのがわかるお話でした。

 丸木先生のサイコパス攻系の作品で、その後がこんなにじっくり読める機会はあまりなかったのでとても嬉しいです。受が攻の手に落ちた後も、支配だったり執着だったりには終わりがないんだな、と感じました。いい話……ではないけれど、大好きな作品です。


・本編 (感想記事はこちらです



『クロ子とノベ美の編集後記』

 クロスノベルス編集のクロ子さんとノベ美さんの編集後記が対談形式で収録されていました。これがとても面白かったので、少しですが感想です。

 こちらの小冊子の応募用紙にアンケートが付いていて、そちらの集計結果が発表されています。今は明るくて楽しいお話が求められているようですが、オメガバースの追い上げもすごかったみたいです。

 個人的にはクロスノベルスさんの明るくない作品も大好きだったりするので、たまにでいいのでパンチの効いたものも出版していただけたら喜んで飛びつこうと思います。






コメント

タイトルとURLをコピーしました