<登場人物>
(攻)桐生勲(きりゅう いさお)…警視庁捜査一課の刑事。
(攻)佐野清孝(さの きよたか)…警視庁捜査四課の刑事。桐生の妻の兄。
(受)土御門玲司(つちみかど れいじ)…バレエ団の花形ダンサー。19歳。
<あらすじ>
警視庁捜査一課勤務の桐生は、妻・恵理子が事件に巻き込まれ、殺されてしまいます。事件の現場となったのは、バレエ団の事務所。そこに残されていたインスタントカメラの写真には奇妙なものが映っており、桐生はそれを頼りに事件を追っています。
恵理子がバレエ好きだったこと、彼女が死の直前に口にした言葉から、桐生はバレエ団の花形ダンサー・玲司へと接触を図ります。
<感想>
山藍紫姫子先生が1990年に執筆し、1994年に立風書房から出版された作品が、2014年にハーレクイン・ラブシックから新たに創刊されたものです。レーベルの「知られざる絶版名作を発掘」というコンセプトにとてもありがたい!と思ったものですが、現在は新刊は出ていないのでしょうか……?本の装丁がとても美しく紙質も大変好みな上、購入から数年経った今でもあまり傷みが見られないので気に入っていました。
テイストは、ミステリー、サスペンス、オカルト、などでしょうか。天才バレエダンサーの玲司を軸に、前半は桐生、後半は佐野がメインとなって展開されます。美しい表紙には3人いらっしゃいますが、この3人同時の絡みにはなりません。
何を書いてもかなりのネタバレに繋がってしまいそうなので、あまり詳しく語れない……というのは言い訳で、どこを取っても凄まじ過ぎて私の貧弱な語彙力ではお伝えすることができません。エログロ、とはこういう作品のことをいうのかな、と思ったりしましたが、そこまでのグロテスクさは私は感じませんでした。血みどろの殺人現場なんかは出てきますが、玲司の感性のおかげで綺麗めな描写になっているかな、というくらいです(あくまで私個人の感覚です)。
衝撃の展開に信じられないようなプレイも次から次へと出てきますが、彼らには狂おしいほどの強烈な愛を感じます。でも恋心はどこかへいってしまっているような気がします。
そして全体的に萌要素は少ない印象ではあるものの、ひとりの同じ男に惚れた者同士が一緒にいる、というシチュエーションはとてもいいと思いました。互いに憎しみ合いながらこれからも一緒にいて欲しいです。
刺激の強いものは心の準備が入りますが、時々はまた手に取りたくなる衝撃作でした。座裏屋蘭丸先生の美しくも狂気を感じさせるイラストが圧巻です。
<オススメ要素>
・山藍紫姫子先生の「最大の問題作にして最高傑作」(帯より)。
地雷注意:エログロ、無理矢理、女性との絡み、フ○スト、など。
<関連作品>
・電子書籍
Renta!【パピレス限定完全版】/
BookLive!【電子限定完全版】/
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コミックシーモア【電子限定完全版】/
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BOOK☆WALKER【電子限定完全版】/
・旧版
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