<登場人物>
(攻)福介(ふくすけ)…有名店から美門の店に移ってきたスタイリスト。笑吉に執着している。27歳。
(受)笑吉(しょうきち)…美門の美容室のスタイリスト。技術に全力。26歳。
美門(みかど)…美容室のオーナー。独立時に笑吉を引き抜いてくれた。
龍来(りく)…美門の店のアシスタント。女装。
一祝(かずのり)…美門の店に新しく入ったアシスタント。
<あらすじ>
福介と笑吉が一線を越えてから1年。ふたりの関係は一進一退、あまり状況は変わっていません。笑吉の1番になりたい福介は、次第に焦りを見せ始めます。
そんなとき、以前笑吉の客だった鬼原が謝罪のために店を訪れます。鬼原は笑吉から拒否のメッセージを受け取っていたと話しますが、それは笑吉には身に覚えのないものでした。
<感想>
ハードな執着もので、受が攻の手に堕ちたその後のお話、というのがとても貴重な気がします。1巻の時点で笑吉は福介と一線を越えていたので、単純な私は続きがあるとしたら笑吉がどんどん囲い込まれていく未来しか想像できませんでした。なので下巻でこんなラストを迎えるとは思っておらず、最後までとてもおもしろかったです。
受が攻の手に堕ちた、と書いてしまいましたが、前巻から1年以上が経ったふたりは今も美門さんのお店で働いていて、笑吉は福介を彼氏だとは認めていません。笑吉は新しく入ったアシスタントの一祝の指導に一直線で、福介はそれをフォローしているようで裏でしっかり根回ししています。
そこへ以前強烈な印象を残していった鬼原さんの登場です。このあたりから、徐々に福介の策略に綻びが出始めます。
そしてすべてが露見してしまった福介がついに現した本性が怖いのなんの。こんな電気責めはもちろん初めてお目にかかりました。福介のいいようにされてしまう笑吉がかわいそうでかわいそうで仕方なかったです。福介がなにげに「一応自分でも」と言っていることに(え、試したんだ?)と思ったりしましたが、そこに深く突っ込んでいる余裕はなかったです。
とんでもなくひどい目にあってしまった笑吉。ですがこの後、壊れかけている笑吉に福介の方が追いつめられていくというのが本当に予想できなかった展開でした。
それでも、りくの解説によれば最後までブレなかった福介。こういう攻の執着にはやはり終わりがないんだな、としみじみ感じました。
最後に内容とは関係ない話になりますが、最初の見開きカラーページで、福介の左肩の上の空間を「壁の模様が人の顔に見える!?」とアホな見間違いをしてしまい、怖さのあまりしばらくひとりで震えてしまいました。よく考えたらマネキンなんですよね、美容室ですしね……。
<オススメ要素>
・執着攻のその後。
<関連作品>
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・上巻
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