君の×××を侵略中 /ヤマvびっこ 【漫画感想】
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全部で7作品+かきおろしと盛りだくさんの短編集でした。ちょっとずつですが各作品ごとの感想です。
『昨日の敵は今日の×××』
<登場人物>
(攻)緑ヶ丘豊(みどりがおか ゆたか)…元ヒーロー戦士ユニバーVのグリーン。存在感が薄い。
(受)リンダ…異次元帝国デスアダークの頭領。
<あらすじ>
地球は世界征服をもくろむ異次元帝国デスアダークによって侵略を受けていましたが、5人の戦士ユニバーVによって侵略は阻止され、帝国は組織解体されます。地球に平和が戻ってから一ヶ月。元ユニバーVのグリーン・豊は行き倒れていたリンダを拾い、自宅に連れて帰ります。
<感想>
冒頭から地球にはすでに平和が訪れていて、豊がリンダを拾ってきているところから始まります。ところが存在感の薄いグリーンだった豊は、自分がユニバーVだったことに気づかれないままです。
ふたりの距離が近づいたところで元レッドの赤坂が訪問してくる→豊の正体がバレる→リンダ脱走→追いかけてきた豊にリンダ告白→めでたく合体……となるのですが、リンダは異次元のお方なのでなかなかすごい身体をお持ちです。「姿は似てても違うもんだね」とあっさり受け入れてしまう豊の懐の深さとなんとも穏やかな表情がツボに入ってしまい、しばらく笑いが止まりませんでした。
『君の×××を侵略中』(表題作)
<登場人物>
(攻)赤坂虎太郎(あかさか こたろう)…元ヒーロー戦士ユニバーVのレッド。
(受)緑ヶ丘錦(みどりがおか にしき)…豊とリンダの子供。生後10ヶ月の大人。
<あらすじ>
ユニバーVが異次元帝国デスアダークからの侵略を阻止して約一年。
デスアダークの頭領を母に持つ錦は、一族の掟により他種族の住処を侵略しなければなりません。侵略する場所は好きな場所でいいと教えられた錦が選んだのは……
<感想>
『昨日の敵は今日の×××』で夫婦になった豊とリンダの子供・錦が、一年で大人に成長、元レッドである虎太郎の家(1LDK)を侵略しにやってきます。表紙のふたりです。
生まれた時からずっと虎太郎が好きだったという錦。いきなりやってきて虎太郎を襲うも、熱血漢の虎太郎は妊娠したという錦を信じてその場でプロポーズ。さすがは元レッド。男前。
結局妊娠は錦の思い込みだったのですが、そんな彼を責めることなく受け入れる虎太郎はどこまでも男前です。さすがは元レッドです(2回目)。
描き下ろし『君の×××を侵略中 子育て編』では、豊×リンダの第二子(錦の弟)と虎太郎×錦の子供が拝めました。なんだかんだで仲良し(?)なふたりの将来が楽しみです。
『デリ☆とも』
<登場人物>
(攻)河原木(かわらぎ)…女性にモテるゲイ。森谷にずっと片思いしてきた。
(受)森谷(もりや)…デリヘルでバイト中。
<あらすじ>
身体にコンプレックスがあるせいで恋人を作れない河原木は、友人の森谷に片思い中。しかし人恋しさに耐えかね、森谷に似ていて気になっていたデリヘルの「シンヤくん」を予約。そしてやってきたのは……。
<感想>
攻がパイパンってあまりお目にかかったことがない気がします。しかも森谷がデリヘルでバイトをしている理由がまた笑えます。
ふたりは冒頭から両思いのように感じたんですが、森谷は河原木の身体から好きになったんでしょうか。まあでも大変お似合いなので深くは考えないでおきます。
『弄り部屋のお兄ちゃん』
<登場人物>
(攻)陽太(ようた)…高校生。雅也が初恋の相手だった。
(受)雅也(まさや)…陽太のいとこ。大学生。
<あらすじ>
大学生になったいとこの雅也と同居することになった高校生の陽太。初恋の相手との久しぶりの再開に浮き立つ陽太ですが、昔は天使のようにかわいらしかった雅也はだいぶ様変わりしていました。
<感想>
天使時代がものすごくかわいいだけに、モサモサビン底眼鏡への変わりようは確かにショックですね……。でもやっぱり素顔は素敵なままでした。
『委員長のスメルハラスメント』
<登場人物>
(攻)児島六郎(こじま ろくろう)…空手部部長。体臭がキツイ。
(受)鷺ノ宮臣(さぎのみや じん)…風紀委員長。臭いフェチ。
<あらすじ>
児島は懐が深く面倒見がよいので空手部部長として皆から慕われています。でも体臭のキツさだけは部員にもからかわれています。
最近自分のロッカーの中のものの位置が変わっていることに気づいた児島。犯人をつきとめようと部室前で待ち伏せしますが、そこで見つけたのは風紀委員長の鷺ノ宮でした。
<感想>
見た目爽やかで人気者の児島の体臭がキツイというのにはびっくりしました。BLファンタジーでは運動部の汗ですら花の香りがすると信じていた私には青天の霹靂。
でも鷺ノ宮にとってはそれがいいんですもんね。他の人にとっては距離を置きたくなるにおいでも、それがとてつもなく好きだといってくれる相手って、もう運命だといっていい気がします。
『国際的 Make Love』
<登場人物>
(攻)坂牧大成(さかまき たいせい)…社畜リーマン。
(受)ローランド(ロウ)…高校2年の留学生。金髪美人。
<あらすじ>
残業続きで限界を迎えた大成は、酔った勢いで高校生のローランドと関係を持ってしまいます。翌朝になってローランドが未成年であると知った大成は、お付き合いをすればなんとかセーフなのではと考えローランドと恋人になります。
<感想>
日本のゲイタウンで恋人を作りたかったというロウ。彼の国の事情はわかりませんが健気でかわいいです。
結局ロウは国へ帰ってしまうので、遠距離になってしまったふたりにどうにかうまくやっていってほしいです。
『息子に秘蔵AVを見られちゃいました』
<登場人物>
(攻)西山田美登(にしやまだ みどり)…大学生。父が好き。
(受)西山田忍(にしやまだ しのぶ)…美登の父親。元AV男優。中年。
みやこ…忍の妻で美登の母。故人。
<あらすじ>
父子二人暮らしの忍は、故人である妻と、息子の美登を溺愛しています。ところがある日、バイトから帰ってきた美登が手にしていたのは忍がかつて出演していたアダルトDVDで……。
<感想>
息子の美登が敬語でぐいぐい迫るのが圧巻で、ガチ親子だとか忍のAV撮影をしたのがみやこちゃんだったとか昔の忍が野獣系だった等々なかなかのびっくり要素が数多くあったはずなのにさらりと流れていきました。
あれ?そういえば私は親子モノは地雷なんじゃなかったっけ……??あまりの勢いにあっさり克服できてしまいました。
出産シーンこそないものの、妊娠だったり変わったフェチだったり親子だったりと人によっては地雷にあたる要素があちこちにある印象ですが、どれもさらりと当たり前のように流れていくのですんなり読めてしまいました。一番気に入ったのは『昨日の敵は今日の×××』です。豊が天然過ぎてかわいい。
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