<登場人物>
吉利谷瞬(きりや しゅん)…平岡組組長。
財前真澄(ざいぜん ますみ)…平岡組顧問弁護士。
一見雅貴(ひとみ まさたか)…吉利谷と財前の旧友。医師。
<あらすじ>
一見への謝罪を兼ね、財前を含めての3人で一席を設けた吉利谷。一見と別れた後も、吉利谷は財前をホテルの部屋に連れ込み添い寝をねだります。
吉利谷は財前の雇用主でもあり親代わりでもある星川を見舞いに訪れ、星川の状態を察します。そしてその足で財前のいる事務所でプロポーズ。それに対して財前は……。
<感想>
冒頭で出てくる綺麗な花が背中いっぱいに描かれた後姿。吉利谷の背中には大きな傷跡があるようですし、誰だろう……?と思っていたらまさか財前だったとは。その経緯が明らかになるまでが壮絶だっただけに、一瞬さらなる悲劇を覚悟してしまいました。
7巻からの新章は、吉利谷と財前のお話です。ふたりの雰囲気やドラマCDのキャスト表示の順番から吉利谷×財前となるんでしょうか。7巻でははっきりわかるところまではいきませんでした。
吉利谷、財前、一見の3人は幼馴染で、財前と一見の方が実は付き合いが長いというのがとても萌えます。今は吉利谷と財前が幸せになってくれることが一番だと思いつつ、一見を入れた3人でのシーンが今も回想でも大好きで、いつまででも見ていたいくらいでした。たまに財前と一見がふたりで話していたりしたら密かに喜んでいます。
吉利谷も財前もそれぞれ大変な過去を背負い、そしてこれからも困難が待ち受けていそうな予感がします。今回は吉利谷のプロポーズに殴るという反応を返した財前。読み手としては本当にボコボコにされてしまった吉利谷に笑いが止まりませんでしたが、次があればぜひ受け入れてほしいところです。
描き下ろし『幸福のわんこ』は、タイトル通り曜明×火弦の「俺の犬自慢編」。顔に傷ができた吉利谷の代わりに接待仕事に出ることになった曜明、本編で財前が吉利谷を殴った余波がこんなところに……と申し訳ないながらも吹き出してしまいました。
温泉の後も慌ただしい様子の曜明と火弦、けれど火弦を後ろに従えた状態で堂々と(?)真顔で犬自慢を繰り広げる曜明さん。これって人前で盛大ににいちゃいちゃしてますよね。刃物に体を張って応戦する姿さえも、その後を見据えた一種のプレイに見えてきます。
<オススメ要素>
・吉利谷・財前、開幕編。
・描き下ろしで曜明×火弦「俺の犬自慢編」。
<関連作品>
・限定版
志水 ゆき 新書館 2018-07-02
・電子書籍(お試し読みができます。)
Renta!
・シリーズ
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