臆病ウサギと居候先の王子様 櫛野ゆい(著)/石田要(イラスト) 【小説感想】
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<登場人物>
(攻)平良誠(たいら まこと)…文具会社の平社員。背が高い。26歳。
(受)雪(ゆき)…ウサギの垂れミミとしっぽがある。18歳。
<あらすじ>
人より背が高く変わった友人が多いこと以外はいたって平凡な、会社員の誠。ある日仕事の帰り道の公園で、傷だらけの少年を発見します。少年の頭にはとても飾りとは思えないウサギのミミがあり、どう見てもワケありげ。お人よしの誠は放っておけず、少年を自分の部屋に連れて帰ります。
<感想>
タイトル通り、ウサギのように臆病な少年と平凡な王子様(会社員)のホワホワでフワフワ、綿菓子のように甘い恋物語でした。
夜の公園、明らかに誰かに暴行された姿で震えていた雪。雪にはウサギの垂れミミとしっぽがついていますが、どうやら本当に雪のものらしく、雪の感情に合わせてぴるぴる動いてみせたりととてもかわいいです。でも、雪は正真正銘の人間。雪の姿には非常に悲しくて酷い事情がありました。
そんな雪を保護し一緒に暮らし始めるのが、自称平凡な会社員の誠。といっても誠がそう言っているだけで、彼の人望はそれはそれは厚く、ただのお人よしでは終わらないことが伝わってきます。
お話は全編攻の誠視点で進むので、雪のかわいさを存分に堪能できました。雪は中性的で臆病、でも誠のために一生懸命家事を覚えようとしたりと、本当にウサギのようです。雪はワケあってわからないことが多く18歳にしてはドジっ子な一面もあるものの、誠を通して見ればなにもかもがかわいく見えてきてしまいます。
しかも雪には発情期があり、誠のもとで初めての発情を迎えます。怖がる雪を前に、必死に己の理性と戦う誠の苦悶には同情してしまいました。その後も、無自覚な雪が誠を煽る煽る。いよいよ誠も限界かと思われたシーン、彼が素股で我慢したときには思わず拍手を送りたくなりました。
そんなふたりはゆっくりと距離を縮めていきますが、雪は追われる身であったため、一度誠と引き離されてしまいます。そしてそこからの誠の快進撃は目を瞠るものがありました。人脈をフルにつかっての雪奪還作戦は壮大です。
健気な雪を誠目線で一緒に愛でていたら、読んでいる自分までいい人になれたような気分を味わえました。いつでも人に優しくあればきっといいことがある、大切なものも守っていけると信じたくなるお話でした。
<オススメ要素>
・自称平凡のお人よし×ロップイヤーの臆病ウサギ。
<関連作品>
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