監督、ネコな俺はダメですか /吹浦ハギ 【漫画感想】

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 表題作が3話+描きおろし、他に短編が2作品、あとがきが1P収録されていました。





『監督、ネコな俺はダメですか』(表題作)

<登場人物>

 (攻)笹川(ささかわ)…ゲイビ監督。以前は男優のコウヘイとして出演していた。眼鏡。

 (受)ダイチ…売れっ子タチ専モデル。オフはバリネコ。


<あらすじ>

 ネコ希望だったのにタチ役で出演したデビュー作が売れてしまい、今はタチ専モデルとして人気のダイチ。オフではバリネコのため、彼氏もできないままです。
 ある日の現場で、監督がダイチ憧れのタチ男優・コウヘイであることが判明します。コウヘイと絡みたくて業界に入っていたダイチは、憧れの人の前での撮影に緊張し調子が出なくなってしまいます。


<感想>

 わかりやすいタイトルと表紙イラストに一目で性癖を撃ち抜かれ、迷わず即購入いたしました。内容もそのものズバリ、本当はバリネコのタチ専モデル・ダイチの攻から受まで楽しく眺め回してしまいました。

 ネコ希望で入った業界で、断りきれずにタチデビューしてしまったダイチ。憧れの「コウヘイくん」をお手本に演じたタチ役で人気が出てしまい、タチ専モデルになってしまいます。そんな事情があったために、彼氏ができず遊びもしないダイチは、真面目に自分の役をこなし続けるとても健気でいい人です。激しめのソロプレイでさえ切なく見えてきます。

 そんなダイチは、現場の監督として現れた笹川さんが「コウヘイくん」であるとすぐに見抜きます。笹川さんは普段はもっさり頭に髭と眼鏡の冴えない容姿ですが、そこはさすがの元男優、自分が出演するとなったときはとてもかっこよかったです。

 描き下ろしでは、ダイチの源氏名についてと笹川さんの下の名前が明らかになっていました。優しそうな顔をしてじっくりダイチを追いつめる笹川さんはドSの香りがして好きです。あとがきでのイラストもかわいくてツボでした。



『好みのタイプは年下幼なじみ』

<登場人物>

 (攻)卓司(たくじ)…大学生。大学入学を機に上京。

 (受)敬介(けいすけ)…卓司の地元の高校生。


<あらすじ>

 大学入学を機に上京し、3年ぶりに実家に帰省した卓司。そこで弟のようにかわいがっていた敬介と再会します。久しぶりに会った敬介はすっかり卓司の好みのタイプに成長しており、何をするにも卓司は劣情を煽られてしまいます。


<感想>

 3年前までは弟のようだった敬介が、ゲイの卓司にとってはたいそう好みな筋肉質体型に成長していた……そして無邪気な顔をして卓司を煽ってくるのです。敬介が弟のように親しんでくるのは変わらず、必死に我慢する卓司もかわいかったです。

 しかもひょろっこかった敬介がそんな体格を目指した理由というのが本当に健気でした。満足気にシャツを着る横顔がまたすんごくかわいい。「たく兄」のことが大好きな気持ちが伝わるいい笑顔でした。



『幸せのその先へ』

<登場人物>

 (攻)幸司(こうじ)…ノンケ。

 (受)明正(あきまさ)…ゲイ。幸司に一目惚れ。


<あらすじ>

 職場で出会って3年目の春、幸司と明正は周囲に祝福され結婚式を挙げます。その夜、明正にはどうしても成し遂げたいことがあり、幸司が風呂に入っている間に準備をはじめます。


<感想>

 結婚式を挙げて帰宅した幸司さんと明正さんは互いの家族や同僚にも祝福され、幸せいっぱい。互いをさん付けで呼び、相手を優しく気遣うとてもいい関係を築いているように見えます。

 しかし明正さんの方には悩みがあったらしく。実はふたりはまだ最後の一線は越えていないといいます。おそらく幸司さんが相当なモノをお持ちのようで、初めてのときに固まってしまった明正さんを気遣い、挿入なしが当たり前となっていました。

 まずそれでも結婚して将来を誓い合っているという事実にかなり萌えました。そして明正さんの好きな人と繋がりたい、という想いもわかってくれていた幸司さんは本当に優しい。スパダリ。短編ではありますが、読めば読むほど味わい深くていいお話でした。



<オススメ要素>

・攻のことが大好きな受。


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