純潔オメガの誘淫 高月紅葉(著)/篁ふみ(イラスト) 【小説感想】

記事内に広告が含まれています。


<登場人物>

 (攻)リカルド・デルセール…アルファ。不動産会社社長。マフィアの幹部。28歳。

 (受)トウマ・キサラギ…オメガ。国家調査員。大学院生。25歳。


<あらすじ>

 オメガのフェロモンを武器に、国家調査員として様々な相手から情報を引き出してきたトウマ。パーティに潜入しターゲットとなるリカルドに接触を図りますが、紳士的なリカルドに強烈なアルファの気配を感じ取ってしまいます。


<感想>

 夏の「イタリアーナ」のリゾート都市を舞台に、仕事や恋にオメガバースが絡み、ドラマチックな駆け引きが繰り広げられていました。政府所属のエージェントとして色仕掛け任務に就くオメガのトウマと、そのターゲットとなったマフィアの幹部リカルド、ふたりが「運命」だったために歯車が狂い出していく様子にはハラハラしました。

 最後の短編以外ではトウマの視点で進むため、リカルドがどこまで本心を見せているのかはわかるようなわからないような絶妙なラインで、トウマと一緒に翻弄されてしまいます。調査員として優秀なトウマでさえ、つい本心がこぼれ出てしまうのもさらにドキドキを味わえました。リカルドからしたらトウマのこういうところも魅力的だったのではないでしょうか。ひと夏の恋と割り切って楽しむはずが、気づけば互いに抜け出せなくなっているところに切なさが増します。

 好きだからこそ相手を大事にしたい気持ちから、ギリギリまで一線を越えなかったリカルドは本当にアルファの中のアルファ、超人級でした。手を出さない理由に「運命」がくるとはびっくりで、運命だから気持ちが繋がらないなら抱かない、という流れには俄然説得力がありました。

 バース性に振り回されながらも、オメガとして囲われるのを良しとせず、トウマが仕事と自由を勝ち取った展開は新鮮でした。フェロモンだったり巣作り描写などオメガバースのツボを押さえつつ、運命への複雑な感情が丁寧に表現された、気持ちのいいお話でした。


<オススメ要素>

・紳士なアルファ×色仕掛けのプロのオメガ。


<関連作品>

・電子書籍(お試し読みができます。)

BookLive!【イラスト入り】/
Renta!【イラスト入り】/
ひかりTVブック【イラスト入り】/
コミックシーモア【イラスト入り】/
ebookjapan【イラスト入り】/
BOOK☆WALKER【イラスト入り】


にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説読書感想へ



コメント

タイトルとURLをコピーしました