見つけたボクのオメガ様 /夏のティー 【漫画感想】

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<登場人物>

 (攻)滝沢雨音(たきざわ あまね)…α。大樹の同級生だった。24歳。

 (受)工藤大樹(くどう だいき)…Ω。法科大学院生。24歳。


<あらすじ>

 勝気な性格だった大樹は、小学生の頃にオメガであると周囲に知られて以来人生が一変、今ではすっかり暗くなってしまいました。
弁護士を目指して大学院に通う大樹のもとへ突然現れ、「番になろう」と迫ってきた滝沢。滝沢は大樹と小学校時代に同級生だったと言いますが、大樹には覚えがありません。


<感想>

 ちょっとした状況やレッテルの変化で、クラスのカーストがガラッと変わることって現実でもわりと起こっているのでは、と思います。勝気な優等生だった大樹がオメガだと知られた途端に一部のクラスメイトに手のひら返され、暗くなってしまっても落ちぶれなかった強さは頼もしかったです。

 大樹の子供時代が、輝いていたとはいってもそれなりに敵を作る性格だったため、現在のオドオドした様子との落差には胸が痛みました。ただ根本の部分はおそらく変わっておらず、たまに毒づく心の声は爽快です。

 いろいろ策をめぐらせているようで根底には実に幼稚な理由を抱えていた滝沢についても、その子供っぽさがわかってしまえば大樹とお似合いなのが納得できました。最後の大樹のモノローグが印象的で、ふたりの関係性はここに集約されているように感じられます。

 オメガだと知られたことで人生が一変してしまった大樹でしたが、優秀な学校を出ていたりなくした薬が戻ってきたりと、彼らが暮らす社会はそこまで不平等ではないところには安心しました。大樹は弱者の気持ちも理解できる、優しい弁護士になってくれると信じています。

 描き下ろしでは大樹がついに滝沢の家族とご対面でした。びっくりな繋がりのおかげでどうにかなりそうですが、それも大樹の努力と実力があったからこそ。タイトル通りの「オメガ様」に、滝沢はこれからもひれ伏し続けるのかと思うと楽しいです。


<オススメ要素>

・中身が幼稚なアルファ×昔勝気だったオメガ。


<関連作品>

・電子書籍(お試し読みができます。)

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