<登場人物>
(攻)堤朔眞(つつみ さくま)…不動産会社勤務。32歳。
(受)九里保嵩(くのり ほだか)…水師。29歳。
九里響二(くのり きょうじ)…保嵩の弟。公認会計士。眼鏡。
<あらすじ>
異様な渇きを覚え、水を求める「枯れ人」。枯れ人をなぜか刺激してしまう体質の堤は、枯れ人を見かけるたびにすぐに逃げるようにしていました。
古びた洋館を買い取りたいとの依頼を受けた堤でしたが、その洋館の持ち主・九里保嵩は水師と呼ばれる枯れ人を蘇らせる仕事だと知ります。水師は胡散臭いものだと考えていた堤は、気乗りしないまま九里邸へと通い始めます。
<感想>
表情がうつろになり、動きが緩慢になってしまう「枯れ人」と、枯れ人に水遣りをして甦らせる「水師」が存在する世界観で、水師の保高と、水師や枯れ人を虜にしてしまう体質の堤のお話でした。水師の仕事について誤解のあった堤が保嵩に惹かれていく様子と、保嵩のことをずっと見守ってきた弟・響二の行く末にはなかなかに驚愕の展開が待ち受けていました。
美しく高飛車な保嵩が身を削って人助けをし、疲弊した保嵩をほぼ唯一癒せる体質の堤との関係には萌えに萌えました。その一方で、響二への嫉妬心を募らせる堤の心境はきれいなだけでは治まらず。この堤の見せる甘さと優しさが、のちに響二につけ入らせる隙をつくったのではないかと考えさせられました。
素直になれない保嵩にも思い違いがあり、頑なな態度を崩せません。しかし仕事のあとだけは本能的に堤を求める姿がものすごいギャップで、固そうな堤が陥落するのもうなずけます。保嵩への執着を深めていく堤に危なっかしさを覚えつつ、響二はこのまま当て馬として見守りの立場かな、と切なく感じていたら……。まさかまさかの響二も参戦でした。
しかも私の大好きなプレイでしたので喜んでしまいました。ネタバレになりますが、最終的には堤を挟んでのサンドウィッチへと発展。これなら兄弟であることが高い壁になっていた保嵩にとっても譲歩できるというものです。真ん中に当たるキャラの立ち位置が総受的なのではなく、あくまでも攻2人が受の保嵩と繋がる手段として用いられているところが新鮮でした。
響二の心境が苦しいことは変わらないものの、家族のような新しい形を見せてもらえて3人の今後についての妄想がはかどります。5年後、10年後に彼らがどうなっているのか、とてものぞいてみたくなるラストでした。
<オススメ要素>
・水師を癒せる水筒×美貌の水師。
・弟×兄の恋人×兄。
<関連作品>
・電子書籍(お試し読みができます。)
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・番外編コミカライズ収録
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Chara編集部 徳間書店 2017年11月25日
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