<登場人物>
(攻)土屋葉月(つちや はづき)…アルファ。雫斗の運命の番。4つ年下。
(受)土屋雫斗(つちや なおと)…オメガ。高校の用務員。
土屋しずく(つちや しずく)…雫斗の娘。しっかり者。小学生。
<あらすじ>
広い部屋への引っ越しが済み、二人の子供と四人家族で暮らす葉月と雫斗。そこへ引っ越し祝いに訪れた京介が、男性Ωを好きになったαの友人が経験談を聞きたがっていると相談をしてきます。雫斗が同じ男性Ωの存在に興味を示したのを見た葉月は、雫斗をかかわらせないため自分一人で京介に同行します。
<感想>
シリーズ3冊目は、殺伐とした瞬間のあった2巻の後だとだいぶほのぼのしていてずっと楽しかったです。いろんなものを乗り越えて、穏やかな家庭を築きつつある土屋家。彼らがまたひとつ強い絆を結んでいく姿を見守れて幸せです。
今回は葉月と雫斗と少し似た境遇にある新キャラ2人が登場、それぞれに個性的な朝永先生と柳木先生がふたりを振り回していました。
雫斗と同じΩの柳木先生は職場でも大変な目にあってきたようですが、実はものすごい努力家なのでは。雫斗が過去にΩというだけでかなり就職に苦労していた描写があったため、教師の職に就いている柳木先生も自分では言わないだけで実は強い人なんだと思います。純さんも頼りがいのあるお方だし、「オメガは頑張り屋さんのいい人」のセリフが思い出されてしみじみしました。
そしてしずくちゃんがやはり天使。「本当は人生何周目?」と尋ねる京介に共感が止まりません。そんなしっかり者のしずくちゃんだからこその優しすぎる悩みには何度も泣きそうになりました。しずくちゃん幸せになってください……。
あとで読み返すと、朝永先生宅前でのしずくちゃんの自己紹介がすごく感動的に見えてきました。違和感なく「土屋」を名乗っている上に、「しずくのパパです!」とはっきりした紹介。葉月が号泣するわけです。
描き下ろしも濃いキャラ大集合でおもしろいことになっていました。こんな楽しい日々をずっと過ごしていってほしいです。心から応援しています。
<オススメ要素>
・シリーズ3作目。
<関連作品>
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