箱庭の熱帯魚 /Luria 【漫画感想】

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<登場人物>

 (攻)乾恭士郎(いぬい きょうしろう)…会社員。普通の人。

 (受)オペックホワイト…「アクアリウム」キャストのトップ。


<あらすじ>

 会社員の乾が上司に連れてこられたのは、会員制クラブの「アクアリウム」。トイレで襲われている青年を助けたはずが、実はプレイ中のナンバーワンキャスト・オペックホワイトだったと発覚。仕事の邪魔をしてしまったと気に病んだ乾は、後日謝罪のために再びアクアリウムを訪れます。


<感想>

 美しい表紙に目を奪われ、あらすじも見ずに購入していました。中身もどこから開いても美しくて、「綺麗だな」と何度思ったかわからないくらいです。会社員×男娼のお話ですが、ずっとアクアリウムを覗いているような幻想的な空気感でした。

 クラブ「アクアリウム」で働き続け、そこが自分の家でもあるというオペックホワイト。自称・平凡な会社員をしてきた乾さんとは、住む世界が180度違います。作中ではそんなふたりの「普通」の認識の差がうまいこと表現されていて唸りました。要所で入るビー玉や熱帯魚の描写がそれはもう美しいのです。

 ストーリーは王道かな、と思っていたのでラストにけっこうな波乱があってびっくりしました。おかげで乾さんの覚悟が半端なものではなかったのがよくわかります。オペックホワイトの仲間たちが見捨てられなかったのにも一安心でした。

 そして最後までひとりで切ないものを抱えていったと思われるのが、「パパ」。ずっと不穏な雰囲気だった彼ですが、おそらくは一番苦労人で優しい人なのではないでしょうか。オペックホワイトたちに居場所をくれたパパにもいつか穏やかな暮らしが訪れるよう、私も願っております。


<オススメ>

・普通の会社員×世を知らないナンバーワン男娼。


<関連作品>

・電子書籍(お試し読みができます。)

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