モテパパと抱かれたい純情講師 /粕井 【漫画感想】

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『ファミリー・オーダー!』『モテパパと抱かれたい純情講師』(表題作)

<登場人物>

 (攻)宮元一志(みやもと かずし)…カズさん。子持ち。バイ。

 (受)尾田(おだ)…大学生。塾講師のアルバイトをしている。ゲイ。20歳。


 宮元勇人(みやもと ゆうと)…小学生。尾田が講師をしている塾の生徒で、一志の息子。


<あらすじ>

 自分がゲイだと気づいて数年、ずっと抱かれてみたいと思っていた大学生の尾田は、専門のサイトを使ってカズと出会い、一夜を共にします。初めてなのにとても気持ちよくしてくれたカズを好きになってしまった尾田は、カズとまた会いたいと伝えるも断られてしまいます。
 それでもカズのことを忘れられずにいた尾田。ある日バイト先の塾で、父親と喧嘩したという生徒・勇人を自宅まで送っていくと、出てきたのは見覚えのある人物でした。


<感想>

 家族の絆に重点の置かれたお話はBLでは苦手分野なのですが、こちらは絵柄が好みだったのと、脇キャラがいい味出してくれたおかげで楽しめました。家族というのはBLにおいては試練となることが多い印象でしたが、このお話はむしろその家族が尾田と一志の恋愛に協力してくれるという珍しい構図でした。

 勇気を出して、サイトで知り合った人物に初めてを捧げようとした尾田。相手のカズさんはそれは紳士的で優しく、セックスが大変お上手な人でした。尾田はそんなすごくかっこよかったカズさんのことが忘れられず、バイト中も鼻歌を歌ってしまうほどです。

 そんな尾田がバイトから帰ろうとすると、父親と喧嘩したという生徒・勇人がまだ残っていました。とても小学生とは思えないほど大人びた態度の勇人を心配した尾田は、勇人を自宅まで送っていきます。そこに現れた勇人の父親というのが、カズさんだったのです。

 カズさんが子持ちだと知った尾田は今度こそ諦めようとしますが、尾田の気持ちに気づいた勇人が、尾田と一志を応援してくれると言い出します。

 それから尾田は勇人の協力のもと一志の家に通い、ご飯を作ったり家事を手伝ったりして、すっかり家族のような付き合いになります。亡くなってしまったという一志の妻。その妹さん(勇人の叔母さん)もいい人で、ふたりの仲に協力的です。

 それなのに一志が尾田と恋人になるまでに踏み込めない理由が切なかったです。
 これに関しては勇人がかなりがんばってくれました。子供らしからぬ指摘なのに、子供にしかできないというのが絶妙です。本当によくできた子でした。

 描き下ろし「モテパパと抱かれたい純情講師」では、またもや勇人が恐ろしいほどの気遣いを見せてくれます。そのおかげで尾田は一志の家にお泊りできることに。テーブルの上で団地妻のようなセリフを言ってしまう尾田がかわいいです。



『ストレート・プレイヤー』

<登場人物>

 井口智也(いぐち ともや)…高校生。海外暮らしをしていた。

 相田(あいだ)…フリーター。ゲイ。25歳。


<あらすじ>

 夕方の公園でいきなり「きれいだ……!」と相田に声をかけてきた高校生の井口。初対面の相手にもグイグイくる井口に押され、相田は自宅アパートに井口を誘います。喜んでついてきた井口でしたが、相田の家には一通の招待状が届いていました。


<感想>

 16ページの短編です。短いですがとてもいいお話でした。

 底抜けに明るい元海外暮らしの高校生に迫られている相田。出会った公園で何度か話し、鍋でもするかと相田は自分のアパートに井口を誘います。ですが、帰るとポストに相田の元カレから結婚式の招待状が届いていました。

 ここでふたりの表情が変わります。物憂げだった相田は急に笑顔になって事情を話すのですが、それに対してここまでずっとニコニコしていた井口が真顔になります。真剣な顔で告白する井口。相田が救われたようでよかったです。



※紙本の帯にフェア情報がありました。

 <応募者全員プレゼント>
『描き下ろし小冊子 誘惑』
 対象コミックスの帯にある応募券3枚ハガキに張り、必要事項を記入して応募。
 応募締切 2018年3月31日(土)消印有効
 執筆陣(敬称略):櫻川なろ、後野オカピ、野萩あき、黒井つむじ、粕井、KINACO、坂江ミドリ
 対象コミックス:2017年12月15日~2018年2月15日発売の「B’s LOVELY COMICS」7タイトル。



<関連作品>

・電子書籍
eBookJapan【電子限定特典つき】/
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