『赤と黒』(表題作)
<登場人物>
矢萩由紀夫(やはぎ ゆきお)…美洞組若頭の息子。
美洞大和(びどう やまと)…美洞組組長の息子。
<あらすじ>
高校生にして組を背負う覚悟を決めている大和。そんな大和に惹かれた由紀夫は、美洞組の組長ではなく、息子の大和の盃を望みます。
子供同士、まるでままごとのような盃を交わした大和と由紀夫。ふたりは青春ごっこだといって不良高校に入学しますが、大和が2年のとき、美洞組の組長である大和の父親が亡くなってしまいます。
<感想>
『ROUGE』の前日譚、大和と由紀夫のお話です。高校生なのに圧倒的に大人びていた彼らがとても気になっていたので、スピンオフが読めてとても嬉しいです。
極道の家に生まれた者同士、並々ならぬ覚悟を背負って生きている大和と由紀夫。『ROUGE』でもあの人たちはホンモノだからと不良たちからは一目置かれていましたが、彼らにとっては高校での戦争など本当に青春ごっこでしかなかったのだと思い知らされました。
大人たちの思惑に巻き込まれ、その中でも引けをとらずに立ち回る大和。慕っていたと思われる父親が亡くなったときも決して涙を見せません。おまけに年上の組の構成員に「夢見させてください」とまで言われてしまいます。過度な期待を寄せられる大和への重圧は計り知れません。
そんな大和にせめて自分の前でくらいは泣いてほしいと考える由紀夫。大和の痛みを共有したいとおそろいのスミまで入れていますが、大和に踏み込んでいくところまではいきません。なんとなくですが、弱みを見せられない大和としては由紀夫に強引にでも困らせてほしいのでは……と思ったり。
この大和と由紀夫の関係性が私は大変に好みなんですが、1巻では受攻がはっきりするところにまで至らず。ふたりがすれ違ったところで終わってしまったので、もうすぐ発売の2巻がとても待ち遠しいです。
『ROUGE 感情教育』『HIGH SCORE NIGHT!!』『てのひら』
<登場人物>
(攻)長門(ながと)…高3。2年のときに転校してきた。曲がったことが嫌い。
(受)加賀藍(かが あい)…高3。美人。
<あらすじ>
3年になった長門の提案で文化祭をすることになった八洲高校。友人達と校内を回っていた長門は、別の校舎を歩いているセーラー服の女子生徒に目を奪われます。
<感想>
至極真面目な顔で「セーラー服が好きなんだ」と暴露する長門がおもしろ過ぎました。そんな長門に若干引きつつも、長門の元カノに対してヤキモチという感情を覚えた藍。
さらには藍が友人達と打ち上げに行きたいと言ったことに感動しました。長門のおかげで、藍が失ったものを取り戻していくといいますが、普通の高校生らしくなっていくのが嬉しいです。
『HIGH SCORE NIGHT!!』、描き下ろし『てのひら』でも、長門の優しさがこれでもかと発揮されていました。つらいことを思い出してしまっても、藍には長門だけでなく、気づいて心配してくれる友人がいることも大きな救いに繋がっているんだろうな、と感じられるいいお話でした。
<オススメ要素>
・同じ場所にスミの入った若頭の息子と組長の息子。(赤と黒)
・優しさに拍車のかかる長門×ますます健気になる藍(ROUGE)
<関連作品>
・電子書籍(お試し読みができます。)
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・続編 (感想記事はこちらです)
・長門×藍 (感想記事はこちらです)
(感想記事はこちらです)
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