<登場人物>
(攻)矢萩由紀夫(やはぎ ゆきお)…高3。美洞組若頭の息子。
(受)美洞大和(びどう やまと)…高3。美洞組組長の息子。
加賀藍(かが あい)…高2。大和に助けられて以来、懐いている。
酒匂(さかわ)…美洞組の構成員。大和に忠誠を誓っている。
<あらすじ>
由紀夫と擦れ違ったままの大和が連絡したのは、以前学校で助けたことのある藍。連絡を受けてすぐに飛んできた藍は、そのまま大和の家に泊まります。
大和の異変に気づいた藍や友人のおかげで、逃げるのをやめた由紀夫が大和のもとを訪れます。気持ちを伝え合ったふたりですが、その頃酒匂に危険が迫っていました。
<感想>
『ROUGE』の前日譚、大和と由紀夫のお話完結編です。表紙からのカラー口絵の流れがあまりにも素敵で、もう何度も眺めています。
1巻ではふたりが擦れ違ったままで終わってしまったので、続きが本当に待ち遠しかったです。少し雑誌で読んだときはちょっとわからないところもあったりしましたが、単行本で一気に読めると事情がわかりやすいだけに切なさも倍増でした。酒匂さん……。
由紀夫が電話に出なかったため大和が呼び出したのは、まだ大和の忠犬だった頃の藍でした。お金がないのに言われたとおりのアイスを買って飛んでくる藍が健気すぎます。家庭環境のせいで箸もろくに使えない藍。このあたりの事情が以前GusHの全プレペーパーにあったお話に繋がるのかな、と思いました。
面倒を見てもらうだけではなく、ちゃんと大和のことを見ていた藍。それを聞いた由紀夫がようやく大和のもとを訪れます。そこでただひとり大和の痛みを理解している由紀夫の見せる優しさが本当によかったです。この唯一無二の関係性が堪りません。
ですがここで組に激震が走ります。高校生のふたりにこれでもかと厳しさを突きつけてくる極道の世界。そんな場所で生き抜くために出した大和の決断がつらすぎます。
しかし由紀夫が黙ってはいませんでした。大和のため、びっくりするほど大胆な行動に出ます。やはり矢萩家の男はすごかったです。
そしてそんな由紀夫のおかげでついに涙を見せた大和。ここが本当に美しかったです。『ROUGE』で大和が藍に贈った言葉は、由紀夫が大和に言っていたことだったんですね。
あと個人的に嬉しかったのが、由紀夫と話す神崎が見られたことです。よく見たらかっこいい上に意外と真っ当な考えを持っていた神崎。なるほどだから長門にやられてしまった後も普通に仲間になっていたのね、ととてもしっくりきました。
<オススメ要素>
・由紀夫×大和完結編。
・『ROUGE』に繋がる前日譚。
<関連作品>
・電子書籍(お試し読みができます。)
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・前作 (感想記事はこちらです)
・長門×藍 (感想記事はこちらです)
(感想記事はこちらです)
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