美術室の悪夢 /霧間もっこり 【漫画感想】

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 『先生、怖い話しませんか』のスピンオフとなる表題シリーズで3話、加えて短編が3つ同時収録されていました。



『美術室の悪夢』(表題作)
『妖しい金縛り』
『図書館痴漢~発情生徒と課外授業、真面目な先生も若い肉棒は拒めなくて…~』


<登場人物>

 (攻)宮前(みやまえ)…高校3年。緋月に絵のモデルを依頼。

 (攻)真ヶ崎恭介(まがさき きょうすけ)…高校生。霊感があり、学校では問題児。

 (攻)比護(ひご)…高校3年。バスケ部主将。育ち盛りの瑞々しいマッチョ。

 (攻)東井(とうい)…高校3年。バスケ部副主将。アイドル顔。

 (受)緋月礼二(ひづき れいじ)…高校の国語教師。真ヶ崎の担任。たまに変なモノが見える。眼鏡。


<あらすじ>

 たまに少しカンが働いたり、変なモノが見えることがある高校教師の緋月。本人は誰にでもあることとして全否定していますが、日々いろんなものに狙われています。
 生徒の宮前に絵のモデルを頼まれた緋月は、宮前が筆を取っている最中にいつも眠くなってしまいます。見るのはいつも宮前との卑猥な白昼夢。そして次第に宮前の様子がおかしくなっていきます。


<感想>

 前作『先生、怖い話しませんか』では真ヶ崎くんが本命かと思っていたのですが、今作でもさまざまなものを引き寄せてしまう緋月先生、真ヶ崎くんの他にも攻を3人も虜にしていました。

 『美術室の悪夢』では宮前×緋月、このお話が一番ホラーを感じました。エロホラーです。緋月先生は罪深いお人です……。

 真ヶ崎くんが登場するのは『妖しい金縛り』のみでした。このお話を読むとやはり緋月先生の本命は真ヶ崎くんなのかな、と思えます。作中ではまたもや厄介な人(?)を引っ掛けてしまった緋月先生、けれど真ヶ崎くんとの間にはちょっと甘さが漂っている気がします。おまじないが効かなくなったのも真ヶ崎くんのおかげだったらいいな、と私が勝手に願っています。

 『図書館痴漢~発情生徒と課外授業、真面目な先生も若い肉棒は拒めなくて…~』は、タイトルを裏切らない、AV監督の幽霊が登場します。幽霊監督の演出のもと、緋月先生は二人の生徒との3Pに突入です。

 本当に怖い話から、意外と明るいオチのある話もあったりと緋月先生を取り巻くモノたちは多岐に渡っていてとてもおもしろかったです。個人的には緋月先生には真ヶ崎くんとくっついてほしいので(しつこくてすみません)、さらなる続編を切望しております。



『おいしく召し上がれ』

<登場人物>

 (攻)大崎(おおさき)…司書。食べ物フェチ。眼鏡。

 (受)佐藤(さとう)…カフェバイト。


<あらすじ>

 カフェでのバイト中、食べ物フェチの大崎に指をかじられたのをきっかけに関係を持った佐藤。普段は地味な大崎のギャップにやられた佐藤は、食べ物プレイはやめて普通に付き合いたいと提案しますが……。


<感想>

 「ほっぺにごはん」に興奮するという大崎、普段は地味な司書なのに、スイッチが入ると佐藤をケーキまみれにしてバナナまで持ち出してくる変態さんです。

 意外とすごいからだをしている上にテクも悪くない大崎のギャップに萌えた佐藤、プレイは卒業して普通に愛し合いたいと伝えたものの、食べ物フェチがダメなら付き合えないとあっさり振られてしまいました。

 しかし結局は離れられなかったふたり、最後にまるでケーキそのものになってみせた佐藤がすごすぎました。大崎、これはいろいろ振り切れたんじゃないでしょうか。

 そして最後の最後、真性の変態ぶりを露わにした大崎に戦慄しました。ここまでが明るく楽しい雰囲気だっただけに、正直に言って表題作よりも怖かったです。大崎さんのことが大好きになりました。



『冗談じゃない!』

<登場人物>

 (攻)鷹羽(たかはね)…職場の後輩。

 (受)西藤(さいとう)…職場の先輩。眼鏡。


<あらすじ>

 西藤にちょっかいをかけ続けては笑っている鷹羽。数ヶ月に渡ってしつこくへばりついてくる鷹羽のことが、西藤は妙に気になっています。


<感想>

 こちらだけ2014年のdrapに掲載されていた作品のようで、とても読みやすいお話でした。

 軽い雰囲気を装いつつ西藤にへばりついている後輩の鷹羽、西藤が居眠りをしている間にこっそりキスをしたり、急に真剣な顔をしてみせたり。西藤が鷹羽に翻弄されているように見えますが、西藤が鷹羽を認識するようになったのが実際とは二ヵ月もズレていたりと西藤のマイペースぶりに鷹羽の知られざる苦労が窺えます。

 肌色シーンがほどよくエロかったこちらのおふたり。普段とギャップのある表情がどれも色っぽかったです。



『蟲惑―こわく―』

<登場人物>

 (攻)「ご主人」…烏丸泊まっている宿の主人。

 (受)烏丸(からすま)…心霊スポットの取材でI県を訪れた。


<あらすじ>

 心霊スポットの取材の帰りに道に迷った烏丸は、近場の宿に身を寄せます。そこは女の人のように綺麗で少し変わった「ご主人」がいるだけで、泊まっているのも烏丸ひとりでした。


<感想>

 お話に入る前に、まるっと1ページ使っての「ATTENTION」表示。「こちらの作品には虫姦の表現が含まれております。苦手な方はご注意ください。」とあり、デフォルメされた蜂のマークがありました。虫はかなり苦手なので、これは……と二の足を踏んでしまいました。けれどせっかく楽しみにしていた御本だし読んでみたいという欲には逆らえず、腹をくくって怖々ページをめくりました。

 内容は、取材で訪れた烏丸が謎のご主人(蜂の妖怪)に虫姦されてしまうお話。最後は烏丸がすっかりご主人に囚われてしまったのかと思ったんですが、描き下ろしを読むと烏丸にどこまで自覚があるのかあやしい終わり方になっていました。このちょっと怖い感じの幕引き、嫌いじゃないです。

 虫姦シーンについてはそれほどグロさは感じずに読めました。蜂の妖怪も半分は人っぽい姿だったので私は大丈夫でした。ただし幼虫がわらわら出てくるので芋虫系がダメな方は要注意です。それよりも、序盤ふたりの食事中にほんのちょっと出てきた虫がリアルで直視できませんでした……。



<オススメ要素>

・しっかりエロいホラー短編集。


 地雷注意:攻が不特定多数、自殺、虫姦、等。


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<関連作品>

・前作 (感想記事はこちらです





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