贄は淫花を孕む 矢城米花(著)/石田要(イラスト) 【小説感想】

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<登場人物>

 (攻)城戸崎玲央(きどさき れお)…大学生。

 (受)真辺武(まなべ たけし)…マナ。大学生。


<あらすじ>

 大学生になった真辺は、小学生の頃に仲が良かった幼馴染の城戸崎と大学で再会。喜んだ真辺でしたが、昔は優しかった城戸崎は様変わりしていて、他の寮生たちと一緒に真辺をいじめています。
 ひどい状況に疲れてしまった真辺は、自殺に走ろうとしたところを鶴見と名乗る怪しい人物にさらわれ、身体に触手を埋め込まれてしまいます。


<感想>

 私の中では現在ダントツで好きな触手のウズさん。攻の城戸崎が真辺に対してなかなかにひどい仕打ちをしてくるので、いっそ真辺はウズと添い遂げてしまえばいいのにと思っていました。しかしそれではBLにならない……と先生があとがきでおっしゃっていて、たしかにそれもそうだわ、とひとりで頷いた思い出があります。

 ウズは正式名称「埋み蔓(ウズミズル)」というらしく鶴巻島だけにある植物とのこと。人間の身体に寄生するのはほぼ雌だといわれていたため、真辺に植えつけられたウズミズルが牡だと発覚した途端、鶴見の目の色が変わります。最初は真辺を殺すつもりだった鶴見は一転、島に連れて行こうと逃げる真辺を追いかけてきます。

 雌と違って牡のウズミズルは人懐っこく、必死に逃げる真辺を守ろうと戦ってくれます。生まれたてなのに宿主を守ろうと奮闘する触手、可愛すぎました。その後で真辺が「ウズ」と名前を付けてしまうとか、もうペットみたいで萌えました。

 最終的にはこれまでの行いを謝罪した城戸崎と真辺がハッピー(?)エンドですが、ふたりの絡みのときに楽しそうに混ざってくるウズがこれまたペットのようでかわいさ倍増でした。これはもはや触手と3Pといってもいいのでは。

 物語はいじめっぽいシーンがあるため殺伐としていたり、ラストも賛否ありそうなほんのりメリバ風味を感じるものでしたが、とにかくウズがいいコでした。ウズミズル、良い触手です。


<オススメ要素>

・受を守ってくれるペット系健気触手。


 地雷注意:受へのいじめ描写があります。


<関連作品>

・電子書籍(お試し読みができます。)

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