＜登場人物＞
（攻）四条秀永（しじょう ひでなが）…探偵業。小野間の大学時代の同級生。３２歳。
（受）小野間慶（おのま けい）…御曹司。高校までは常にトップ。３２歳。
（攻）大浜海渡（おおはま かいと）…大学生。長身。四条の後輩。２２歳。
（受）安芸翼（あき つばさ）…大学生。小柄。２２歳。
＜あらすじ＞
大学の後輩が事件に巻き込まれ、相談を受けた探偵の四条。被害に遭った安芸から事情を聞くうち、四条はこの事件が自分の過去とつながりがあると確信。１１年に渡りずっと探している同級生・小野間の手がかりをつかみます。
＜感想＞
完全にとばっちりで事件に巻き込まれてしまった、かわいそうな大学生の大浜と安芸。最初はこのふたりがけっこうな極限状態にまで追い詰められた末にくっついていたのですが、実はメインとなるのはふたりが事件後相談に訪れた探偵さんだったという。現在の出来事が１１年前の因縁を呼び起こし繋がっていく、おもしろいお話でした。
中々にどぎつい所まで心の傷を抉られた小野間を四条はどうやって説得するのかハラハラしたのですが、その中のひとつに時代の変化を持ってくるのは巧いなぁと思わず唸りました。１１年前からほぼ外に出ていなかった小野間がそれに気づけなかったのも納得です。１１年て本当に長い時間だし、でもふたりには必要な時間だったというのがすごくしっくりきました。
それから親からの呪いのような言葉に縛られていた小野間を否定しなかった大学時代の四条には感動しました。親のために、と努力を重ねてきた学生を真正面から肯定する描写って初めて見た気がしています。最終的に小野間は独立するんですが、四条ってものすごくできた人間なんだな……と考えたら、学生時代の小野間が四条に敵うはずなどなかったのかも、と思えてます。
ヒリヒリするシーンが続いた後でも、大浜×安芸が登場すると一気に爽やかな雰囲気になってほっと一息吐いていました。安芸が意外と強い人なのが少しずつわかってくるのも楽しかったです。
＜オススメ＞
・１１年の執着愛。
＜関連作品＞
・電子書籍（お試し読みができます。）
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