<登場人物>
(攻)春本智樹(はるもと ともき)…トモ。会社員。元殴り屋。28歳。(受)冬木浩一郎(ふゆき こういちろう)…会社員。トモの先輩。32歳。
<あらすじ>
警察官の恰好をして事件現場に現れ、犯罪者をひたすら殴り倒していく二人組。その正体は不明ながら、自警団のように扱われ世間から一定の支持を得ています。<感想>
私は本を読むときにまずカバーを外す習慣があるのですが、ただならぬ雰囲気の表紙カバーをめくりその下のイラストが目に入った瞬間、狂喜乱舞いたしました。絶対好きなやつでした、大当たりです。そしてとにかくすべてが激しいお話でした。しかしこちらのお話を大好きだと声に出して言うのは若干勇気が必要です。先生も「倫理観をガッチリもってフィクションをお楽しみください」と最初に仰っています。
清々しいほどにバイオレンスな、冬木先輩とトモ。出会うまでは、それぞれ孤独に自身の中の怪物と付き合ってきた人たち。そんなふたりが出会い愛し合う姿はひたすらに激しいです。彼らに共鳴するように次々と危ない人が寄ってくるのも見応えがありました。
同時に、あんなに激しい暴力で繋がっている人達が心の中には一途で臆病な恋心を持っていたのは意外すぎてかわいらしく見えてきます。「暴力が第二の言語」である以外は、至って普通の人なのかもしれません。
それから、冬木先輩の「例の昔の知り合い」が一度も登場しなかったのにもかかわらず、ものすごい存在感でとても気になっています。冬木先輩の天才的な立ち回りは例のお方なしでは難しかったのではと思えるほどの助力っぷりでした。
<オススメ>
・怪物×怪物。<関連作品>
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