RUTILE SOUVENIR DECENNIE 【全サ感想】

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 「ルチル文庫&ルチルコレクション&RuTiLe連動企画 ルチル文庫創刊10周年記念小冊子」です。雑誌ルチルの応募台紙にルチル作品の帯の応募券2枚、指定料金(1000円)の払込で応募できました。

 ルチル文庫作品の書き下ろし小説が32作品収録されています。長さは作品によって異なりますが、3段組なのでどれも読み応えがあります。



<執筆作家>

秋山みち花、和泉桂、犬飼のの、雨月夜道、神奈木 智、可南さらさ、きたざわ尋子、櫛野ゆい、月東湊、玄上八絹、小中大豆、坂井朱生、崎谷はるひ、椎崎夕、愁堂れな、神香うらら、杉原理生、砂原糖子、高岡ミズミ、高峰あいす、田知花千夏、鳥谷しず、凪良ゆう、夏生タミコ、野原滋、榛名悠、真崎ひかる、間之あまの、水原とほる、御堂なな子、雪代鞠絵、李丘那岐



<感想>

 応募したのが2015年9月でしたので、3年3ヶ月ぶりくらいに届いた全サ小冊子。発送のお知らせを見てから本当に手にできるかハラハラしていたので、今は無事に届いてくれてほっとした気持ちが大きいです。
 既読のものは3作品ありました。記憶がおぼろげなところもあるので、本編を思い出しながらの感想です。



『月と龍を背負って 「妓楼の軍人」より』 /犬飼のの

 本編の主人公ではなかったものの、なかなかの存在感を放っていた李月龍×桂木セラのお話でした。既婚の元帥とその愛人という一見不毛そうな関係のふたりですが、気持ちの上では通じ合っているように見えます。

 藍大将とユエリーの姿に触発された45歳の月龍、セラをお姫様抱っこに挑戦です。結局歳には抗えなかった月龍でしたが、想像以上に重い愛を抱えていらっしゃるセラのおかげでこの先もずっと一緒にいてくれそうに思えます。


・本編



『「極悪人のバラード」番外編 「極悪人のバラード」より』 /月東湊

 本編から4年後、渉が大学院の修士論文を終えた頃。渉が社会人になる前にようやくとれた休みをつかって、高野と渉は約束していたスペインを訪れます。

 サグラダ・ファミリアを写真に収めたふたりは、渉の姉のような存在である香代子の話に。渉と香代子の関係に理解を示しつつも、実は思うところがあったらしい高野。きれいさっぱり誤解が解けたようでよかったです。

 かわいい家族もお迎えして幸せを実感している様子のふたり。今では互いのことを想いあっているのがよくわかる優しいお話でした。


・本編



『群れと対 「美しき追跡者」より』 /水原とほる

 水原先生の作品でこれくらいしっかり続きが読めるものって最近では珍しい気がするので嬉しかったです。

 事件以来、ふたりきりで「小さな群れ」をつくった修司と良。修司と一緒にいるようになってからは凄惨な過去の夢を見なくなっていた良でしたが、すべてを忘れることはできず今でもうなされることがあります。

 ひとりだった以前とは違い、良が悪夢から目覚めるとそこには修司の姿が。忘れられなくてもいいという修司の優しさに、自分が弱くなってしまいそうだと戸惑いを感じる良。複雑ながら今の幸せを認め、お互いに相手を大切にしているのが伝わってきました。


・本編


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