式神の名は、鬼 夜光花(著)/笠井あゆみ(イラスト) 【小説感想】
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<登場人物>
(攻)羅刹(らせつ)…封印されていた人喰い鬼。
(受)氷室櫂(ひむろ かい)…陰陽師。妖怪に付き纏われている。26歳。
<あらすじ>
代々続く陰陽師の家に生まれた櫂は、八百比丘尼の血を引くという噂を信じた妖怪たちに付き纏われる人生を送っています。
山の中で偶然、強い鬼が封じられている祠を発見した櫂は、その鬼を飼い慣らし自分の身を守ってもらうことはできないかと考えます。
<感想>
新シリーズ1作目のようで、濃くて楽しいキャラクターがたくさん出てきます。陰陽師として櫂が請け負う依頼は一応(?)解決し、区切りのいいところで次巻に続いています。
物語の冒頭は櫂の家に居候している小学生ハーフ子鬼の草太と、いわくありげな伊織の視点から始まります。おかげで第三者から見た櫂の人となりがなんとなくわかり、かなりの変わり者なのが想像できます。
その後からは櫂視点に移ります。山中でワケあり達と暮らす美形の陰陽師、友人は理解あるお坊さんの千寿が1人だけ、そして守銭奴……妖怪に付き纏われてばかりで苦労が多そうですが、櫂があらゆる方面にあっけらかんとしているので雰囲気は明るめです。
そんな櫂が強い鬼に自分の身を守ってもらおうとわりと軽いノリで人喰い鬼の封印を解いてしまい、しかもその鬼・羅刹を従えるための術として自らの肉体を使う展開に。まだふたりの間に明確な愛はないため甘さは控えめですが、これがこれからどうなっていくのかを考えるとそれだけで楽しくなります。
鬼の羅刹はそもそも考え方が人とは異なるので、人の感情には疎い分、櫂への反応が初々しくて次第にかわいく見えてきました。これはいい執着攻に成長しそうな予感がします。
おどろおどろしい雰囲気の妖怪もたくさん出てくる中、河童の登場にはちょっと癒されてしまいました。律儀に約束も守ってましたし、こんな妖怪もいっぱいいたらいいなあと和みました。河童の無事を祈っています。
イラストも堪能できました。中でも千寿が見られたのが嬉しかったです。笠井先生の坊主が見られるとは……インパクト強かったです。
<オススメ要素>
・最強の人喰い鬼×美形で変わり者の陰陽師。
<関連作品>
・シリーズ
(感想記事はこちらです)
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