fill the cream donut /でん蔵 【漫画感想】

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 メインは表題作で、描き下ろしとカバー下もあります。短編も1作品収録されていました。


『fill the cream donut』(表題作)

<登場人物>

 (攻)辰巳蓮(たつみ れん)…レン。メンズ専用出張ホスト。

 (受)高橋直樹(たかはし なおき)…会社員。三十代半ば。


<あらすじ>

 普通の社会人として、普通の人生を送ってきた直樹。しかし自身がゲイであることは誰にもカミングアウトしたことがありません。
 異動を機に、誰も自分のことを知らない場所でなら、と直樹はメンズ専用出張ホストを利用することにします。一度のつもりだったはずが、ホストのレンの優しさにすっかりはまってしまい、その後何度もレンを指名します。


<感想>

 前半は表紙のイメージを裏切らないお話で、いわゆる普通の社会人、だけどゲイであることは隠してきた直樹が、一度だけのつもりで出張ホストを利用したらハマってしまって……と展開します。

 ここで何度か挟まれるレンと直樹の絡みシーンの激しいこと。紙本では白線修正が入っているのですが、それでもしっかり伝わってくるド迫力のアレコレは一見の価値アリかと思います。スタートが潮吹きの「普通の社会人」はとっても貴重です。

 レンがわりと見たまんまの性格だったため、真面目にレンに恋をしていた直樹は偶然にもレンの本音を知ってしまい、自ら離れることに。その後の再会はてっきりレンの画策によるものかと思ったのですが、どうやら本当にたまたまだったみたいですね。そこには単純に驚いたものの、その偶然もレンの執着が引き寄せたのではと妄想が膨らみます。

 巻末の描き下ろしはその後のお話でした。約束通りレンがエグいのをつけてきてくれます。



『世界に君しかいない』

<登場人物>

 (攻)楓・エーベルハルト・美鶴(かえで・えーべるはると・みつる)…高校生。ハーフ。

 (受)多々良良太(たたら りょうた)…高校生。美鶴とは幼馴染。


<あらすじ>

 幼馴染の美鶴と良太は、主に美鶴からのアプローチで家でも学校でもいつでも一緒。キラキラハーフ顔の美鶴とモブ顔の良太の組み合わせは学校でも名物コンビですが、モテる美鶴に彼女がいないはずはないというクラスメイトの言葉に良太は嫌な気持ちを覚えます。


<感想>

 表題作のホスト×普通に続いて今作もキラキラ×モブな組み合わせで同じ系統なのかなと思いきや、こちらの方が見た目の差がすごくて笑いがこみ上げてきます。短編なのに描写がいろいろ濃かったおかげで短さを感じませんでした。

 良太が最初から最後まで本当にモブ顔を貫いてくれるので、必死な美鶴の表情ややはり激しめな絡みシーン中でも良太がいるだけでほのぼのさせられました。



<オススメ要素>

・蛇顔舌ピホスト×普通の会社員。
・ハーフ×モブ顔の幼馴染高校生。



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