＜登場人物＞
（攻）小笠原南（おがさわら みなみ）…高校２年生。海洋生物オタク。残念なイケメン。
（受）由利紘人（ゆり ひろと）…高校２年生。「普通」を装い続けている。
＜あらすじ＞
男を好きになる自分の気持ちを抑え続け、いつしか普通にふるまうことが板についていた由利。なんとなく付き合っていた彼女にふられてしまい、用意していた水族館のチケットが無駄になってしまいます。
由利がチケットを譲ろうと、気になっていた同じクラスの海洋生物オタク・小笠原に声をかけたところ、小笠原は由利まで海洋生物に興味があると勘違い。ふたりで一緒に水族館に行くことになります。
＜感想＞
かわいい触手を見ると無意識にポチってしまう呪いにかかっているので、あらすじも見ずに喜んで購入していました。しかもチンアナゴまでいらっしゃる!!ヒトデもかわいいし、こんな状態の由利を背後から爽やかな笑顔で見つめている小笠原……ここ最近で一番心を揺さぶられた表紙イラストです。
触手は由利の夢に出てきて活躍してくれるのですが、現実の高校生ふたりはピュアでかわいい恋模様を見せてくれました。魚だけでなく海洋生物全般に詳しい小笠原は、水族館であんなことやこんなことまで由利に教えてくれます。帯（裏表紙側）にも登場しているカワテブクロなんかもうそのものすぎて大爆笑でした。これは夢に見るのも仕方ない。
水族館で珍妙な生物を紹介されすぎた由利は、海洋系触手に襲われる夢を見るようになります。夢には毎回小笠原も登場し、無邪気な笑顔で触手たちの実況解説を担当。これが次第に由利に恋心を自覚させ、ちょっと切ない展開へと繋がるのですが、シュールな絵面に笑いが止まりませんでした。
描き下ろしはまさかの猫カフェデート。小笠原のがんばりのおかげでかわいい姿がたくさん拝めました。カバー下漫画のタコさんも可愛い！小笠原の冷静な対応とタコの叫びに血の気が引きつつも楽しませていただきました。私もそのぬいぐるみがほしいです。
思いがけずピュアでかわいいストーリーで、触手を眺めているのに私の中の邪な気持ちが浄化されていくようでした。純真な変態って最強だな……としみじみ思います。今後の彼らの将来までずっと見ていたくなるような、いいお話でした。買ってよかったです。
＜オススメ要素＞
・穢れを知らない海洋生物オタク×触手が夢に出る普通の高校生。
＜関連作品＞
・電子書籍（お試し読みができます。）
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